細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

歴史・歴史小説

慶州ナザレ園 忘れられた日本人妻たち

上坂冬子、中公文庫。借りてこられた相方様の勧めで読了。1984年の本ですが、まったく時代を感じずに読めました。 終戦前に朝鮮半島や日本本土で朝鮮人の男性と結婚し、終戦後韓国に残った(あるいは夫について渡った)日本人妻の人生を語る。たくさんの人生…

皇帝フリードリッヒ二世の生涯

塩野七生を久々に。これだけのまとまった本を読むのが久々かも。読みはじめまでは時間がかかるけれど、読み始めると帰省の新幹線の中という事情とはいえ、あっという間。じゃぁもっと読めよと思わず自分に突っ込んでしまいますが・・・。 さて、神聖ローマ帝…

井沢元彦の学校では教えてくれない日本史の授業

井沢元彦って、こういうもの書く人なんだっけ?と読了後にAmazon見てみたところ、確かに。この人のジャーナリストのイメージが自分の中でしかるべき場所に落ち着いてない気持ち。 さて、書いてあったことの中身は、興味深く頷けるものでした。日本史家の「細…

君は弥生人か縄文人か

中上健次と梅原猛の対談。このタイトルは中上健次のこだわりらしい。どっちか、というよりは縄文人について語るもののようであるけど。祭り、山人、海人、柳田國男、柳田國男が語らなかったもの。熊野に行きたくなるような、そうそうそして、熊野神社にはこ…

十字軍物語2・3

実家から持って来たのに結局次の帰省で読了です。でも読み始めるとあっという間、獅子心王格好いい〜(笑)。いやしかし、実はしたたかなフィリップの、いやフランス王の巻なのかも、テンプル騎士団の迫害で終わる結びは戦慄です。 バリアーノ・イベリン、ア…

知れば知るほど面白い 朝鮮王朝の歴史と人物

実家に帰ったら韓流時代劇を見ていたらしくてこの本が。なかなか読みやすくておもしろかった。チャングムってもっと古い時代かと思ってたとか、ものすごく長い年代記(王様記?)が韓国にはあるんだとか。著者の先祖が出てきてびっくりしたり、そういえば族…

キリストの誕生

ちょっとづつ遠藤周作、たまたま図書館にあったのですが。イエスの生涯の続編なんですね、これ。イエスの生涯とキリストの誕生で、この順番とわかる人多くはないんじゃー。え、常識? うちの相方さまはひとことでご理解なさったので、改めて尊敬。ともかく、…

ガヴァネス(女家庭教師) 〜ヴィクトリア時代の余った女たち〜

ふと気が向いた中公新書、エマの影響は否定すべくもありません。ガヴァネスって女の子を教えるものだったんだね! 実際と小説の両方から彼女たちをとらえる分析はさらさらと読みやすい。昔ジェーン・エアを読んで楽しめなかった私に読み方を知らせてあげたい…

チャングムの誓い 上

上・下を借りてきたらば実は中があったという衝撃で、結局上しか読んでない。ドラマは見ていないので、あらすじを追うだけでも興味深いけど。チャングムだけじゃなくて親世代から波瀾万丈という上巻でした。

遠野物語

ついに読みました遠野物語、昔読んだ昔話集を思い出しました。それよりはるかに多様だけれど。マヨヒガとか単語だけでどきどき。子供と遊びたい仏様にどきどき。しかし何より収穫は、はじめて読んだ絵本のひとつ、ふえふきとうげに出会ったことです。赤の美…

島根県の歴史

山川出版社はそれぞれの県史を出しているのね。どうせ読むなら行ったときに読めばいいのに、出て来たときに買ってようやく読了。古代ここから都に行くのは半月くらいかかったのかな。期限に間に合わなくて始末書持って行ったとか、次の年は間に合ったとか(笑…

出雲国風土記

あれから3年、あのとき出雲で、大社の隣の新しい博物館で衝動買い?した風土記全文(書き下し)。でも引っ越し後、本棚に寝かせられてた(立っていたけど)3年間。ついに手に取りましたのは、借りるでない、「買う」のありがたいところです。 書き下しで、…

ルネサンスとは何であったのか

いまの塩野七生が昔の塩野七生を振り返る感じ。海の都の物語やチエーザレ=ボルジア、サイレントマイノリティにわが友マキアヴェッリ、と夢中になった高校時代を私も振り返る。いまでも書いてる、ってすごいよね。ルネサンスを書いたからローマ、ローマを書…

十字軍物語1

2010年最後の読書は塩野七生。実家から借りて帰って結局実家に持ち帰って読む落ち。でもやっぱりいいですね♪タンクレディに萌える物語だったのかも(笑)。 …でもハンニバルやカエサルとはやっぱり違うのは、私の歳か塩野さんの円熟かそれとも時代か。 ここで…

国盗り物語(1)

土地のもの読んでおこうよ!という主要動機。ストーリーというかキャラクターもいいんですけど、やっぱり土地の描写や地名にこころうごく司馬遼太郎。斉藤道三、美濃は加納の城主になりました。(1巻終了時点)

フランスにおけるライシテ(脱宗教性)の歴史

クセジュ文庫ってはじめてかも。フランスの脱宗教性はカトリックとのせめぎあいだったのね。イスラムのスカーフにたどり着く歴史は長く、政治的で、すなわち現実と妥協と合法の中に相手を取り込むしたたかさ。 後書きにコメントのある、日本のライシテは、実…

ローマ亡き後の地中海世界 下

読み終えてからこれを書くまで半年も経ってしまいましたよ、それでは記憶を探りつつ。ローマ亡き後の地中海世界、下巻は王様と教皇様の不毛な対立? 地道にさらわれた人を買い戻す十字軍が、意図はどうあれ略取を採算が合う継続的なビジネスにしてしまう。「…

水底の歌 柿本人麿考 上・下

梅原猛。にわか石見人であった身としては、薄々分かっちゃいたけどやっぱりにわか石見人であった間に読んでおけばよかったと思うことしきりです。 柿本人麿はどう生きてどう死んだのか、というよりどう生かされてどう死んだのか、私はすっかり説得されており…

犬死―歴史から消えた8人の生贄

菊池良生。何だこのタイトルは、現代舞台の軽い小説か、と思ったらドイツ中世史でした。軽くない・・・いやそうでもないか、痛々しくも読み物としては非常に読みやすい、ある意味軽く楽しめる(!)、でもやっぱり空しい死。冒頭の踊らされた羊飼いは、とり…

ローマ亡き後の地中海世界 上

有り難いことに今年も読めます塩野七生。実家で引き取ってくれるって分かってると、置き場所の心配せずに買えてよい♪とりあえず、上巻の主役は海賊さん。ひと、じゃないのが「ローマ人の物語」よりもちょっと夢中になりがたいのは致し方ないところ。「イスラ…

四季の彩り―秩父路の民話

市川 栄一、池原 昭治。こういう再話の取り組みがあり、ちゃんと出版されていて、ちゃんと地元の図書館がそれを持っているのが素晴らしい。♪ってあれ、ここって秩父ですか?(違うような。) 転勤族って、こういうところはだめですなぁ。いやこういうところ…

坂の上の雲 1〜8

予約までして1巻を借りたのだけど、実は実家に全巻揃ってた灯台下暗し。二度の帰省をフル活用してわくわく読了。むかし貰った単行本1巻を、結局読まずに手放した、そういえばあれはもう十年以上前、単行本の装丁はとても良いのですけれど、しかしお手軽文庫…

黄泉の王―私見・高松塚

よみのおおきみ、梅原猛、1973。もっとも文庫は1990版で、こちらも図書館のリサイクル品。 隠された十字架も水底の歌も読んでないのにね(^^ゞ。いえそれらを読みたくなったのだからよかったのです。どきどきする主観に満ちた歴史。ともかくにわか石見人であ…

韓国併合

海野福寿、1995年。朝鮮開国から日韓併合・・・韓国併合まで。私が学校で習ったのは、はてどっちの単語だったかな?韓国併合へ至るまでのプロセスが丹念に描かれています。日本だけではなく清がいかに韓国へ手を出そうとしたのかも、ときに脅し、そしてその…

石見銀山 銀の道

森岡勲さん。これは自費出版本なのかな?ともかく図書館で借りまして、というのもですね、石見銀山からの銀の輸送ルート、海路主体なんだか陸路主体なんだかわかってなくて???だったのでした(海路とは日本海経由であり、陸路とは中国山地を越えて瀬戸内…

中・高校生のための朝鮮・韓国の歴史

岡百合子。中学高校の社会科の先生だったそうで、それでタイトルがこんなことに。(たぶん)簡潔な通史でありますが、こちらに基礎知識がないので読み応えがっちり。好きなつもりなんだけど、朝鮮史。人間になった熊のお話と、春秋王ユシン将軍(いったん投…

論語紀行

坂田 新先生。NHKライブラリー12回シリーズの書籍化。最後に曲阜案内あり♪わたくし論語に目がないのです。大好きv孔子よりも(たぶんご多分にもれず)子路さんが好きで、あと子貢さんvちょっと判官びいき入ってるけど宰予さんも。 で、楽しく読めました。…

女性天皇

滝浪 貞子。京都女子大の古代史の教授でおいでですね。最近神社にいくと大体貼ってあるあのポスター(&パンフレット)、「女性天皇と女系天皇の違いを知っていますか」そのくせ何の説明もしていないあのパンフレット!皇統図だけでどうしろと!・・・いやま…

サンタクロースの大旅行

葛野浩昭。これはひさびさに、軽くいい新書を読んだ♪って感じで楽しめました。コカコーラとか、冬の神様。たくさんの歴史あるイラストに、話題のうちのいくつかと著者の個人的な交わり。ぶたとサンタ!♪「ラップ人」を見せるサンタクロース村のフィン人がい…

地名の由来から知る日本の歴史

武光誠。どれもこれも面白かったけど、どれもこれも覚えていない・・・(^^ゞ。覚えているのは「保」が「荘」と同じ(正確には同じじゃないだろうけど、まあともかく、同類)だってことかな。各務は鏡なんだ〜とか。 まあいいんです、楽しいから! → Amazon.c…