細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

韓国併合

海野福寿、1995年。朝鮮開国から日韓併合・・・韓国併合まで。私が学校で習ったのは、はてどっちの単語だったかな?韓国併合へ至るまでのプロセスが丹念に描かれています。日本だけではなく清がいかに韓国へ手を出そうとしたのかも、ときに脅し、そしてその中にも交渉がありときに譲って積み重ねた条約も、伊藤博文が何を考えていたのかも。いまでも併合(の根拠となる条約)の有効無効が議論となっていることも。日本がいかに列国の反応を気にし、そして日露戦争の上で列国が日本の意向を容認したことも。
どのように、を読むとやはりなぜ、を考えます。日本はなぜ韓国を併合したのか。なぜ国民はそれを求め、政府はそれを求めたのか。「思いのほか世論は強硬なのでご配意を」という趣旨の政府の文章が中に出てきます。どきっとする。
解釈・意見はそれとして明確に、そして「どのように」を丁寧に描写していく、落ち着いて読める本です。有り難いことです。
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