細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

2016-01-01から1年間の記事一覧

労働時間制度改革

副題「ホワイトカラーエグゼンプションはなぜ必要か」ということで大内伸哉先生。しばらく積ん読になってましたが、読みにくいわけではなくこのたび読了。 大内先生は(そしてほとんどの労働法学者は)本質的に規制強化論者なんですよね。この本も半分ちょい…

日本人はなぜ無宗教なのか

阿満利麿。2016読了らしい。

国防/国難

(国難) 石破さんの文庫を2冊目。もう少し安保法の解説があるかなぁと期待したのですが、まあ文庫化は最近でももともとは野党時代の出版だから求め過ぎました。 これは与党とは、っていう話かな。でもいままさにこの本で過去について言われているように、安…

私は赤ちゃん/私は2歳

小児科医松田道雄@1960's。今でこそ赤子主観の育児マンガなどもまま目にするところですが、この古さでこの斬新さ、もちろん医学的なところなど古いところも多いのですが、とにかく赤ちゃんも一個の独立人であるというその認識、それを広めようとする強い志、…

若者を見殺しにする国

赤木智弘。ふと読んでないなと思ったときにマーケットプレイスにあったから。でもマーケットプレイスでは著者に売り上げ入らないんですよね。でもでも、そういうのも含めての「ネット時代」だから生まれた書き手なんだよね。ううむ。 さて著者に印税が入らな…

きみのためのバラ

池澤夏樹。(ほぼ)男と女の邂逅と離別の短編集。どこかの都会やヘルシンキ、沖縄メキシコなどなど舞台も様々、空気の温度と湿度が語りを読み手の皮膚のすぐ外にまとわりつかせます。邂逅から離別までの間、現実から少しだけずれた世界にいるような奇妙な感…

女子のキャリア ーー "男社会"のしくみ教えます

海老原嗣生。hamachanの女子労働論を読んだので次はこちら。古き良き?企業の女子の取り扱いにびっくりですよ。いったい何時の話だよー。免疫がないというのは恐ろしいものです。オトコもオンナも育てたように育つのです。 さてさてそれより気になる30代後半…

不思議な羅針盤

梨木香歩の「らしい」エッセイ。とても落ち着く。 大好きなのですが、その一方で私は「スマホを見ながら授乳する母」であっちゃったりするのですな。こども大好きなのですけれども、ね。 丁寧な暮らしをいいなとたまには思って背筋を伸ばすこと。たまにでは…

アンのゆりかご 村岡花子の生涯

言わずと知れた花子とアンの原作本。孫娘さんの書かれた淡々と伝記です。伝記というと偉人の、になっちゃいますか?そうではない淡々さ、そして水面下の温かみ。微妙な距離。 あまりに淡々としているので、ドラマの熱を補充しつつ読めるのもそれはそれで幸せ…

働く女子の運命

※ このレビューはだらだらと長いです。すみません! hamachanの新書ももう5冊目。分野別が中高年・若者ときて今度は女性。ちなみにどーでもいいことですが、岩波、日経、ちくま、中公、文春とラインナップがバラバラなのはなぜだろう。ぶれずに同じ話なので…

沈みゆく大国アメリカ

堤果歩。タイトルは大きいのですが、中身は要するところオバマケアの失敗についてです。オバマケアにより保険にカバーされなく「なった」ひとがいる。 陰謀論のような記述は賛同できない、理想を現実にさせるときのハードルを知らないのかと思いますが、オバ…

差別と日本人

2009年の本。辛 淑玉と野中広務の対談で、基本的には辛さんが野中さんの半生を聞くという構造です。そして辛さんの解説が間に入るので、分量的には辛さんのスタンス7割、野中さんの応答3割という感じです。 解説が入る分、辛さんの烈しさが痛いほどだという…

クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン

鴻上尚史さんがご自身ご出演のNHKクール・ジャパン!を活字にしたといっていい講談社現代文庫。番組もいいけど文字で読むのもまた楽し。子育て中の身としては、異性の子と一緒にお風呂に入るのは欧米のみならずアジアでも日本以外ではなしだ!という話がいち…