2006-08-01から1ヶ月間の記事一覧
川人博弁護士。 判断指針はどうあれ、ひとつでも多くの事例を、ひとりでも多くの人に。私も、あなたも。こういうことで、人は死ぬ。たぶん死ななくてよかったはずのひとが。この本の中に幾人か出てくる退職届を受理しなかった上司に、部下を殺すつもりはなか…
梨木香歩。”におつひめ”です。それが何か、どなたかは読んでいただくとして。 草壁皇子のお話ですが、その視点から見た母君鵜野讃良皇女(持統天皇)の、おそろしいほどにつよい、だけでないその強さと渾然一体の愛しみの描きぶりがしみじみと惹きこまれます…
女王の老いが描かれる、その雰囲気が、奇妙に、悪くない。痛ましいのに暖かい、過去ってそういうものなんだろうか。痛ましいが故に過去として見たときにだけ暖かい、そんな生涯。 今回もカリエは何もしてないようにも思うのですが、カリエがドミトリアスの誤…
藤原和博(はじめての民間校長先生ですね)、宮台真司、ほかたくさんの方々のコラム。これもうっかり立ち読みをしかけて結局買ってしまったもの。身近で(あるいは、無関心でいないほうがいい)ずっしりとした課題ばかりで、具体的な事例もたくさん、法律や…
斎藤環。精神科医のおたく論というかアニメ論というか、戦闘美少女論。うっかり立ち読み始めてうっかり買ってしまいましたよ。おっしゃってることはよくわからなかったりもするんだけど(何せ精神分析の分野の基本的な語彙がこちら側に足りないうえに、男性…
ようやく下巻を読むことが出来ました♪大団円。振ったネタが全部回収されているのかどうか覚えていないところもあるんですが、破綻のないハッピーエンド、それで十二分です(それだけでも結構大変だったろうと思います)。フェリーシア、可愛いよう。 → Amazo…
童話屋さんの詩集。このあいだの「おんなのことば」と同じシリーズ(?)の装丁です。編者の前書きが力強くてあんがいよいのですが、誰かと調べたら童話屋さんの代表者でした。 初読で特にうれしかったものは、まど・みちおの「くまさん」や「ぼくが ここに…
恩田陸。短編集。どれも楽しめたのですが、あとがきを見るとあれもこれも長編の番外編ですか。・・・それぞれちゃんと完結しているのですけれど、長編に絡んでいると聞けば長編も読まないとという圧迫に駆られたりも。でも、短編の方が好きかも知れないな。…
高橋たか子。高橋和巳夫人の高橋和巳追悼記。 私は高校時代、何故かこの古くて堅い憂鬱な作家にひっぱられました。と言っても、親の高校時代ならばともかく私の高校時代として高橋和巳は断じてメジャーではないために、幸か不幸かその時期に自分で読んだのは…
表題作及びダイヴィング・プール所収。小川洋子。(小さい「ン」が出ない・・・。) 私は結構小説にははっきりとしたエンドマークを求める方だと思われ、「冷めない紅茶」のほうは落ち着かなかった。でもそのひとりでいるような人とのかかわりの感じは気持ち…