細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

高橋和巳の思い出

高橋たか子高橋和巳夫人の高橋和巳追悼記。
私は高校時代、何故かこの古くて堅い憂鬱な作家にひっぱられました。と言っても、親の高校時代ならばともかく私の高校時代として高橋和巳は断じてメジャーではないために、幸か不幸かその時期に自分で読んだのは邪宗門と悲の器くらいです。それと実力テストの題材になってたエッセイ(笑)。・・・それのせいで高橋和巳を知ったのだったかな。このエッセイはいまだに探しているのですが、まだ見つけておりません(テスト自体どこにやったか・・・)。古くて堅い憂鬱な。だから惹かれた。でも悲の器は読み通すのが辛かった。邪宗門は夢中になれた。
その後も関連書籍を見かける都度読んでいますが、どの作品も面白いか、と言われると全然そんなことはない。でもたぶんずっと読んでいくのでしょう。
で、高橋たか子のエッセイですが。ああ、さもありなん。こういうひどい人に、惹かれたのでした。いえ、夫人はひどい人、なんておっしゃっておられません、かわいそうな人、と。お二人の結びつきの硬さは羨ましいものではないけれど平伏する類のもの。「主人は大変美青年であった」なんてあたりも、もちろん不可分に含めてです。
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