細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

2005-01-01から1年間の記事一覧

博士の愛した数式

妹に買ってもらいました(^^ゞ。そして紅白の傍ら妹より先に読了。ひどい。(^_^;)いや、ありがとう。 さてさて、愛に、友愛にあふれた一冊でございます。博士の子どもへの、ルートへの絶対的な愛情はもちろん心打たれるのですが、ルートから博士への愛情がま…

キリストの勝利

今年もお待ちしておりました、ローマ人の物語14巻。この毎年の年末のお楽しみも、来年でおしまいか〜(涙) ユリアヌス、背教者ユリアヌスって、こんな人だったんだ。っていうか、そのフレーズは耳になじんでいたのだけれど(辻邦生の本が家のどこかの本棚…

外国語としての日本語

遊びに行った友人宅でひまつぶしに。日ごろ特に意識することなく使っているものだから、分解して整理して教えることの難しさと、それを垣間見るおもしろさ。「〜てフォーム」という概念、私たちはそんなものを類型化しないけれど、外国語として学ぶためには…

電車男

いわずと知れたベストセラー。これも職場の同僚から借りた。おもしろかった。しかし、疲れたよ!(笑)2ちゃんねるを見ていると精気が吸い取られるのは、それが紙媒体になってもやはり変わらないようです。 何か、やっぱり納得してしまうのがおもしろさかな…

史記 本紀

ちくま文芸文庫。小竹文夫・小竹武夫訳。 解説によれば、驚くなかれ、これってほとんど1962年版なのですよ。しかし、ぜんっぜん違和感ない。私が知る限りでは(=さっとネットで探して入手できる範囲では)いまだに唯一の完訳。これまた解説で留意が促されて…

生協の白石さん

やはりいわずと知れたベストセラー。職場の同僚に借りました。ほっと一息、和めます。これもネットで火が点いたのね、知らなかった(^^ゞ。 ユーモアを湛えて前向きに謙虚に、仕事しよう。 → Amazon.co.jp

パジャマガール

図書館の児童室でふらふらと手に取ったもの。ハッピーエンドとは善いものだ。 深刻に書こうと思えばたぶん、どれほどでも深刻になってしまうものを、光に満ちた強いエッセンスだけをとる。オバーの落とした魂を視るその真昼の眩しさが、読後残った。 → Amazo…

退屈姫君伝

米村圭吾。初めて読んだんですけど、軽くて楽しくて展開もなかなかで一気に。めだか姫、にぎわしくてほほえましい。おてんば娘。人妻だけど、名実ともにそうだけど、でも娘。いや、しあわせ。 → Amazon.co.jp

トニー流 幸せを栽培する方法

トニーと小栗さん。ほのぼの、しあわせ。お題目がいろんな国の言葉で、いかにもトニー。小栗さんのフォローコラムも嬉しい←特に「金箔を仏像の裏に」の章。トニー度診断は、思いのほかと言うか恐ろしいくらい低かった(笑)。共感はできるのに何でだ~(笑)…

クラッシュ・ブレイズ ヴェロニカの嵐

スキップしていた茅田砂胡。楽しかった。やっぱり一話完結はいいし、リィがのびのびしているところはいい。15少年漂流記と同じ楽しみ方では決してなくて(だってあの二人は何でもできるからねぇ)代わりの(?)スパイスはよく効いていて、よかった。ジェ…

ハードワーク 低賃金で働くということ

今度はイギリスの話。最初本屋さんではアマゾンの(↓)が見つからなかったから、前に書評を見かけたこれを買い、そしたら後でアマゾンのを見つけた、ということ。 これも、筆者が働いたその話。今度は1週間かもっと短く、そしてたくさんの仕事が出てくる。…

アマゾン・ドット・コムの光と影

横田増生。潜入ルポ、とあるように、半年間アマゾンの配送センターでアルバイトとして働いた体験を軸とする一冊。もちろんこちらが影で、そして、評判から聞いていたよりは光の方にも焦点が当たっていて、おかげで読みやすかった。読みやすくて、そしておそ…

半落ち

映画化された作品の、文庫本。映画はちょっと物足りないところもあったので(泣けたけど)つい手に取った。ちなみに、これはたぶんネタバレ厳禁な本ですが、私はこの映画を会報(苦笑)で知ったので、映画を見る前からネタは知ってました。とはいえ知らなか…

クラッシュ・ブレイズ パンドラの箱

茅田砂胡。見かければ読むデルフィニア番外編シリーズ。いえこの形容はおそらく失礼に当たりますが・・・スカーレットウィザード番外編シリーズでもいいですが。そうですね、今回はむしろ後者。ケリーとファロット2人の話というよりは、やっぱりケリーとジャ…

喪の女王2

須賀しのぶ。いま2番目に追っかけているラノベ。今回の主役はグラーシカかしら。カリエやラクリゼがメインでないときは波乱万丈には欠けますが、揺れ動く心の機微はやはり、ドラマティックです。そして女王だらけ(笑)。何はともあれ魚釣りとか、いいですよ…

BROOCH

薄い紙のしかけ絵本。次のページが透けて見えて、ドレスの模様になったり、翼がついたり。紙を通した色の薄さもきっと計算されてて、すごい。本屋で見かけてつい読み干してしまいました(^_^;)。きれいです。 → 出版社のサイトへ

あらしのよるに

あらしのよるに、ほか全7冊(特別編は読んでません)。紀伊国屋でたくさんたくさん平積みになっていて、ついつい。評判もあらすじも大方聞いていたので、聞いたとおり、そして聞いていた以上に、友情というより恋愛?(←微妙。その隣にあらしのよるに-恋愛…

チューリップ・タッチ

アン・ファイン。灰島かり訳。図書館で出会う「子どもの本」の恐ろしさのひとつは、読み始めるまでどんな話かまったくわからないことが多いことだ。それは配架の問題なのか、装丁の問題なのか、単に私が一般の小説をたいして読まないからなのか、一般の小説…

ローワンと黄金の谷の謎

リンの谷のローワン、2作目。1作目とまではいかないけど(主観)、これもまたよし。 外と内、差別とその否定。お互いなのも差別と言うかな?断固とした、けれど子どもを責めない教育と、「いい人」も差別をするもう一段階の提示。「無用」としてはいけない…

日産を甦らせた英語

この日本語英単語交じりの微妙なペーパーバック、図書館でつい拾ってしまって2冊目。英語の講師が何を考えているか、という話としては面白かったかも。・・・それ以上でないのはビジネスで英語をつかわないという私側の要因のせいだろうから筆者には申し訳…

子どもと子どもの本のために

エーリッヒ・ケストナー、言わずと知れた高橋健二訳。 子どもに向けた本ではない、けれどどれも知っている。確かにこの人は、大人に向けてと子どもに向けてと言うことを変えてはいないのだ。むかし約束してください、と彼は言った。子どもの私に。大人になっ…

ホリー・ガーデン

江国香織。岡山へお出かけの友に買ったら、作中に岡山が出てきてにんまり。 ええと。なんだかよくわからない、でもきっとわからなくてよい、ほんとにわからなくてよいのかどうかもわからない。終わったときに放り出された感じなんだけど、それは常にエンドマ…

彩雲国物語 心は藍よりも深く

引き続き楽しかったんだけど、藍なのに〜藍将軍好きなのに〜放蕩者も好きですが。出番、ちょっとだけ(涙)。絳攸さま微笑ましすぎです。これでお見合いもとい、恋愛事情は一段落なのかしら、どうかしら。次の次になりますが、無事に舞台を移す設定を整えき…

魔軍襲来

なんともはやお久しぶりのアルスラーン。でも買ってしまう(^^ゞ。いわずと知れた田中芳樹。 久方ぶりではあるものの、少なくとも表面上の質は変わっていない、人物それぞれの面白みは。でも私がアルスラーンにはまったのは、もう少し何かがあったからだった…

ローワンと魔法の地図

エミリー・ロッダ。挿絵は佐竹美保。今月発売された空色勾玉の新書版も佐竹さんの挿絵だったのですよね〜。大きなバクシャーと添うローワン、私を引き込んで余りあります。 さて、きわめて上質な、正統派のファンタジー。いくじのない(と自己認識している)…

理想の児童図書館を求めて トロントの「少年少女の家」

図書館には司書さんが必要だ!とは私も思うところです。しかしそれにしてもこのトロントの司書さんの教育過程はなんともすごい。すごくシンプルかつ高い要求水準なんですけど、なんとも古きよき日々、といった感じです。 しかし子どもにこそそのような充実し…

きれいな絵なんかなかった

副題「こどもの日々、戦争の日々」。ポーランドのユダヤ人、今はアメリカの絵本作家の自伝。戦争が終わったところで終わっているのではなく、その後もいろいろある、そんな当たり前まで書かれているところも魅力。しかし一番の魅力はおそらく誰にとってもカ…

「雨の木」を聴く女たち

大江健三郎。小説を読了したの初めてじゃなかろうか。長編というよりは連作短編集だから読めたのかも。 私、について思うよりも、作者、について思ってしまうのはどうだろうか。うまく入り込める人もいるとは思うのだけど。いっぱいいっぱいの作者とそれを外…

哲学のしずく

池田香代子。ソフィーの世界の訳者ですね。エッセイは翻訳ではなく哲学にかかるものだけど、「すべての構成されたものは滅びの支配下にある」=「諸行無常」の不思議と面白さ。 → Amazon.go.jp

ニート フリーターでもなく失業者でもなく

経済学者玄田有史、ノンフィクションライター曲沼美恵。2004年の7月ですよ、この本。改めて見て、ちょっと信じられなかったりする。それからまだたったの1年2ヶ月で、ニートという言葉はこんなにも世の中(←これは私の主観というか私の興味関心が向い…