細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

2014-01-01から1年間の記事一覧

五覚堂の殺人/伽藍堂の殺人

事情により追っ掛けてる作家、周木律。というものの、すでに4作目まで出てると知らなかった、追っ掛け失格ですな。 ずっとシリーズは数学と建築を鍵にしていて、縛りの中での突拍子のなさが楽しい。ネタを作る方はそれどころではないんだろうけど〜。 いや…

もじれる社会

hamachan先生のブログでしばしば拝見するので知ってる気になってるものの、本田先生が何を語っているか、を私はちゃんと知ってはいない。 ということでこの本。過去の短文を集めたものということで、まとまった1冊というのではないけれど、様々なトピックに…

いっしょうけんめい「働かない」社会をつくる

海老原嗣生。実はこの方の本を読むのは初めてです。ホワイトカラーエグゼンプションで何を目指すかという話。少なくともタイトルはそういうタイトル。誰もが無限定正社員である世の中を変えるのにホワイトカラーエグゼンプションを。でもそういうふうにWE…

「育休世代」のジレンマ

中野円佳、光文社新書。育休中に取り組んだ修士論文が都心の大きな本屋で平積みになるその事実に圧倒される。最初から本を出したいと考えて、限られた時間内に、しかも出産育児と並行して修士論文を書く。そのWLBの(これはwork life balanceなのか?)在り…

「慰安婦」問題とは何だったのか

大沼保昭。国際法学者ですが、基金にこんなに関わっておられるとは知らなかった。 アジア女性基金が、どのような認識の下に何をしたかを丁寧に解説している本です。新しい本ではないことを確認しての購入。 知らない事実(戦時中のことではなく、基金が何を…

日本の雇用終了

やっと読了しました、濱口桂一郎のJILPT 報告書。全部読むとやっぱり長いね・・・。私たちが日常的に知っていることも、例えばこんな形にならなければ、担当者の感情以上には政策立案の基礎にならない。感情はただのビッグデータからなるもので、ほとんど分…

犬養道子自選集2 ある歴史の娘

犬養道子自選集の2つめ。こちらは戦前の、つまりは「犬養毅首相の孫」による様々な事象への感性が記された文章。微笑ましいたくさんの風景に、でも読みながら不安が募るのは、もちろん読者がその後を知っているからで。でももちろん、微笑ましいところがあ…

だからあなたも生き抜いて

義実家に置いてあったのを読了。書いてあることよりもその人生そのものに意味のあることだから、簡潔に書かれていることの後ろに含まれたものの重みに身が竦む。 ひとはまず、受け入れられる必要がある。受け入れられるあり方として、叱られる、ということも…

この国で産むということ

野田聖子・根津八紘。やっぱり野田さんの記述は身につまされる・・・。結局私は医師ではなくて女であり、そして子どもがほしくかつ家の外で仕事をする女であるから。不妊治療はスケジュールがすごく縛られる。本当に、時間休の取りやすい職場でよかったと(…

日本の雇用と中高年

濱口桂一郎先生の新書4冊目。大内先生のと一緒に買ったんだけど、なんとなく後回しになってました。基本スタンスは(当たり前だけど)これまでの本と大きく変わるわけではないところですが、中高年に焦点を置いた歴史はやっぱり知らないことがいっぱい。昔…

暗黒神殿・蛇王再臨 アルスラーン戦記12・13

14から戻ってみたら、13だけじゃなくて12も読んでいないっぽい?楽しめました。一時期読んでも楽しめない気分になっていたの何だったんだろう・・・。

風の王国 目容の毒

ちょっとづつながら読み進めてるライトノベル。なんか今回、恋愛要素とかほとんどないのに、危機から戻る落ち着きぶりがすごくラノベだな〜ってしみじみしました(安定して楽しめるということです♪)

豆つぶほどの小さないぬ

佐藤さとるのコロボックル物語の2。子どものころに読み損ねて、大学時代には妹の本が本棚にあったんだけどなんとなく読めずで、ようやくのご縁。文庫本って便利♪ 物語の方は素敵に冒険譚でしたが、解説!1巻目の梨木さんの解説もよかったけど(木かげの家…

コロボックル絵物語

なんと有川浩のコロボックル。絵は村上勉さん。さらりと読んでしまってほわりとでも切なく。思わず次にコロボックルを借りてきたのでありました。

天地鳴動 アルスラーン戦記14

最近?読んでなくて、13巻を飛ばしているのわかっていたけど買っちゃいました。なんかやっぱり、久しぶりに読めると嬉しいなぁ。本屋でぱらっと開いたページ、側近たちのやりとりのあまりの懐かしさにほだされたのですが・・・。 むかしのように夢中になるん…

雇用改革の真実

書き過ぎ?ってくらい書いておられる大内先生。オビにあるように”「労働者のため」は私達を幸せにするか”というのがこのところの(新書という形で表現される普通の世の中(学会ではなく)向けの)大内先生の最上位メッセージなのだろう。そしてそれはこれま…

おとぎの国の郵便切手

安野光雅の、たぶん大人の絵本。大臣と王様と絵描きさんが淡々と、でもにぎやかに。おとぎばなしを題材に、ふふっと笑ませる絵と会話。無邪気ではない大人のお伽話でありますが、こういう和みもよいものです。

神々の食

池澤夏樹の沖縄の食紹介。もちろん美味しそうでありますが、モノより文字がおいしそうといいますか、沖縄とは、って随筆なんですよね、やっぱり。もちろんそれがモノ、食べ物に結びついているのだからして、もちろんおいしそうでよいのですが。旅に出たくな…

犬飼道子自選集1

急に読みたくなった犬飼道子。そしたらうちの図書館には自選集が揃ってる!読んでみたらば・・・すごいの一言。国際的、宗教(カトリック)、いろいろあるけどでもそんなこと(?)より何よりそのエネルギー。 尊敬の一言です。でも、それが当たり前であるべ…

皇帝フリードリッヒ二世の生涯

塩野七生を久々に。これだけのまとまった本を読むのが久々かも。読みはじめまでは時間がかかるけれど、読み始めると帰省の新幹線の中という事情とはいえ、あっという間。じゃぁもっと読めよと思わず自分に突っ込んでしまいますが・・・。 さて、神聖ローマ帝…

日本で不妊治療を受けるということ

いまから10年くらい前の体験記。あまり状況は変わらないと思う一方で、隔世の感をあるとも思う。治療の中身、方針や、直接の医師からの説明の内容はあまり変わらない。それなりにメインで不妊治療の看板を掲げているところなら、初診教室や高度治療(体外受…

君の働き方に未来はあるかー労働法の限界とこれからの雇用社会

大内伸哉先生の光文社新書。奴隷と根源的には同じ雇用の(雇傭の)従属性に重点を置き、というか労働法をそれなりに学んでいれば既知だけど、あまりみんな声高には言わないそれを注意喚起する新書。だから、正社員を目指す人生の戦略は正しいのか?という問…

想いの軌跡 1975-2012

塩野七生の単行本未収録エッセイの束。ローマ人を書く前の塩野七生の書き物をいま初めて読む、なんとも楽しいw 確かにほとんど読んでいないものばかりでしたが、歴史其儘と歴史離れとか2つ3つは見かけた覚えが。加筆があったのもありましたが、どういう仕…

クレヨン王国の十二か月

青い鳥文庫出版当時に削られた分も含めた完全版らしいけど、実はそもそも読むの初めて。福永先生はもう御歳70でいらっしゃるのですって。 どうしてか子供の時分は敬遠していたのですけれど、うん、スタンダードにおもしろいv 善意に支えられる物語は、どきど…

下町ロケット

池井戸潤。職場で出身地の話になったので、それで文庫本を思わず購入。池井戸潤は加茂高校出身なんですねー。 企業小説ですが、大企業との競り合いもさることながら、その結果の企業内のドロドロが頷かされます。誰も思いは間違ってはいないのですが、いろい…

解雇改革

ジュンク堂で労働法のところじゃなくて人事管理のところに置いてあったのは意図のあることとなんだろうか。誰のどんな意図か気になる・・・。大内先生のベクトルとは合っているんだと思うけど法政策の話だからな〜。 契約法16条、解雇権濫用法理の改正とは何…

絵本あれこれ

いないいないばあ、おさじさん、のせてのせて、おふろでちゃぷちゃぷ。いいおかおとあなたはだあれも読みつつも、選びたくって前4つをお祝いに。いま調べたらさらにもう3つあるんですねえ。 のせてのせての絵が好き。ちょっとシュールないないいないばあの…