細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

マンゴーの木

副題「伝説の魔法使いをめぐる運命の輪」、山田真美。 カテゴリに入れるのが既に限りなくネタばれだ・・・��(〃゜ o ゜〃) このカテゴリが正しいかどうかは内緒。 ともかく虚実皮膜の間を行く、かつエネルギッシュな著者。 とにかく「魔法使い」、ひたすら…

春になったら苺を摘みに

ということでもう一冊の梨木香歩。すばらしいエッセイでした。 理性的な、それでいて表情や風景が澄み切って明らかに伝わってくる文章。 イギリスでの彼女のホストマザーの話を中心にして、梨木さんの人間というものに対する考えが、全編を通して現れます。…

哲学と子ども

G.B.マシューズ、倉光修+梨木香歩訳。 、というかですよ。梨木香歩を何か読んでみたいと思って、でも小説は軒並みみんな貸し出し中で。で、ひっかかったのがこれとあとひとつエッセイだった、という。そして読んでみて後書きによれば、おどろくほどたくさ…

鎖国してはならない

大江健三郎。このひとは私にとっていまだ小説家ではなく評論家(?)で、小説は何度か落伍しているのだけれど、この講演集はすんなり読めた。正確であろうとする、ゆえに読みやすく、ゆえに美しい、日本語。 ある一つの立場、考え方をとるそのバックグラウン…

あのひとに花を

永田萌の人をめぐる絵とエッセイ。 実在の人、お話の人、名もない人に名のある人、とりどり。 いわさきちひろから始まったのはふむふむ、だったのですが、住井すゑ! 敬称略に「!」なんてまったく畏れ多いですがいやおどろきました。 秋桜さんに対する愛情…

毎日が日曜日

城山三郎。帰省したら父親がちょうど読み終わったというから、拝借。 企業小説ってそんなに好みではないのだけど、すんなり読めた。 前作(「輸出」)も機会があったら読んでみようと思うくらいに。 帰国子女の息子と娘を通して、最終的には主人公にも感情移…