細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

エッセイ・対談・自伝・評論

昭和解体 国鉄分割・民営化30年目の真実

牧久。hamachanブログでのご紹介の後、honto で電子書籍割引になってて思わずの購入。ああ、暴君の出発記念セールだったかな?暴君も買いましたがそちらはこれから。でも多分、読む順番はこれで正解だったと思います。オーラルヒストリーって、hamachan ブロ…

もものかんづめ

さくらももこの著名なエッセイ。これまた病院図書館で。 もちろん最初からクスッと面白かったのですが、終盤の「結婚することになった」もう大爆笑。病室なのでもちろん声は立てませんが、くっくっ笑ってしまって傷が痛い・・でも悔いない!いや、大分良くな…

私は赤ちゃん/私は2歳

小児科医松田道雄@1960's。今でこそ赤子主観の育児マンガなどもまま目にするところですが、この古さでこの斬新さ、もちろん医学的なところなど古いところも多いのですが、とにかく赤ちゃんも一個の独立人であるというその認識、それを広めようとする強い志、…

不思議な羅針盤

梨木香歩の「らしい」エッセイ。とても落ち着く。 大好きなのですが、その一方で私は「スマホを見ながら授乳する母」であっちゃったりするのですな。こども大好きなのですけれども、ね。 丁寧な暮らしをいいなとたまには思って背筋を伸ばすこと。たまにでは…

アンのゆりかご 村岡花子の生涯

言わずと知れた花子とアンの原作本。孫娘さんの書かれた淡々と伝記です。伝記というと偉人の、になっちゃいますか?そうではない淡々さ、そして水面下の温かみ。微妙な距離。 あまりに淡々としているので、ドラマの熱を補充しつつ読めるのもそれはそれで幸せ…

差別と日本人

2009年の本。辛 淑玉と野中広務の対談で、基本的には辛さんが野中さんの半生を聞くという構造です。そして辛さんの解説が間に入るので、分量的には辛さんのスタンス7割、野中さんの応答3割という感じです。 解説が入る分、辛さんの烈しさが痛いほどだという…

クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン

鴻上尚史さんがご自身ご出演のNHKクール・ジャパン!を活字にしたといっていい講談社現代文庫。番組もいいけど文字で読むのもまた楽し。子育て中の身としては、異性の子と一緒にお風呂に入るのは欧米のみならずアジアでも日本以外ではなしだ!という話がいち…

子どもに本を買ってあげる前に読む本

赤木かん子さんの2008年本。赤木さんは最近学校図書館の改装を手掛けていらっしゃったのですね〜。知らなかった。私はズッコケシリーズが苦手なのを赤木さんに説得された(?)クチなので(それは96年くらいのことだったかな?)、赤木さんが近年の(08年ま…

犬養道子自選集2 ある歴史の娘

犬養道子自選集の2つめ。こちらは戦前の、つまりは「犬養毅首相の孫」による様々な事象への感性が記された文章。微笑ましいたくさんの風景に、でも読みながら不安が募るのは、もちろん読者がその後を知っているからで。でももちろん、微笑ましいところがあ…

だからあなたも生き抜いて

義実家に置いてあったのを読了。書いてあることよりもその人生そのものに意味のあることだから、簡潔に書かれていることの後ろに含まれたものの重みに身が竦む。 ひとはまず、受け入れられる必要がある。受け入れられるあり方として、叱られる、ということも…

神々の食

池澤夏樹の沖縄の食紹介。もちろん美味しそうでありますが、モノより文字がおいしそうといいますか、沖縄とは、って随筆なんですよね、やっぱり。もちろんそれがモノ、食べ物に結びついているのだからして、もちろんおいしそうでよいのですが。旅に出たくな…

犬飼道子自選集1

急に読みたくなった犬飼道子。そしたらうちの図書館には自選集が揃ってる!読んでみたらば・・・すごいの一言。国際的、宗教(カトリック)、いろいろあるけどでもそんなこと(?)より何よりそのエネルギー。 尊敬の一言です。でも、それが当たり前であるべ…

日本で不妊治療を受けるということ

いまから10年くらい前の体験記。あまり状況は変わらないと思う一方で、隔世の感をあるとも思う。治療の中身、方針や、直接の医師からの説明の内容はあまり変わらない。それなりにメインで不妊治療の看板を掲げているところなら、初診教室や高度治療(体外受…

想いの軌跡 1975-2012

塩野七生の単行本未収録エッセイの束。ローマ人を書く前の塩野七生の書き物をいま初めて読む、なんとも楽しいw 確かにほとんど読んでいないものばかりでしたが、歴史其儘と歴史離れとか2つ3つは見かけた覚えが。加筆があったのもありましたが、どういう仕…

春を恨んだりはしない

池澤夏樹、震災後のエッセイ集。ちょうど沖に向かって泳ぐを読み終わったところだったので、そのスタンスが同じ部分にふううっと息をつく。そして、違うところにも。キリスト教の話がいつの間にかすごく土着の日本の考え方の再考に移ろう、確かに、もともと…

沖に向かって泳ぐ

池澤夏樹へのインタビュー、新井敏記。マシアス・ギリの失脚で池澤夏樹好きになった私としては、それについて語るこれはどこもとても魅力的。池澤さんの私小説の敬遠ぶりは微笑んじゃうくらい納得です。だけど小説は(対談も)結局どれもやっぱり同じひとが…

銀の匙

荒川弘のコミックが出ていなかったら、多分これを読むことはなかったんですよね(笑)。もちろん、内容は全く関係ありません。中勘助の「銀の匙」。解説の橋本武さんが灘高の先生だというのは、買った後で知りました。 さて本文も脚注(解説)も、とても柔ら…

渡りの足跡

梨木香歩のネイチャーライティング2つめ。こういうのをネイチャーライティングとよぶということもこの本の解説で初めて知ったのでありました♪ 名前を知っているということ、識別・同定できるということ、知っていることの豊かさに圧倒される。「案内人」と…

嵐の夜の読書

池澤夏樹の書評を読むと、あれもこれも片っ端から読みたい読まなきゃという気持ちになるんだけれど、でも全然追いつかないうちに遠ざかっちゃうんだよな(過去の実績は白鯨とアブサロム、アブサロム!だけ(^_^;) )。 読んだことがある梨木香歩の家守奇譚へ…

ゴーストハント読本

荻原さんと池澤春奈と辻村深月の鼎談からはじまりますか・・・読まずにいられないじゃないか、の小野不由美本、あっという間に堪能しました。 池澤さんが辻村さんより年上だったとは・・・という話はともかく、ティーンズハートなるもの、女性性のホラー、は…

水辺にて

梨木香歩のエッセイ、カヤックからはじまる、梨木さんって思った以上に行動的。梨木さんらしく淡々と抑制された筆致なので、なのか最近私が本を読んでいなかったからか、はじめしばらくは実はゆっくりしか進まなかったんだけれど、水の上、雨、風が吹き・・…

ぼくたちが聖書について知りたかったこと

池澤夏樹と聖書学の研究者(そして池澤さんのいとこ)秋吉輝雄氏との対談。詳しい素人と本当に詳しい研究者との対談で、やっぱりはじめて気づかされることたくさんでとても面白い。なにより一神教は一朝一夕にできたものではないということ、高度な概念、も…

深夜特急1

かの有名な(?)旅行記、初めて読んだが確かに何かに呑み込まれる。博打ってすごい。文章の臨場感も。 しかしそもそもやっぱり旅がすごいよな、と、読後少々ぼうっと。

ぶどうの木 ー10人の わが子 と過ごした里親18年の記録

東京で里親をされている坂本さんの記録。波乱万丈な関わりもあれば、穏やかな関わりもあり、家族ってエネルギーだなぁと思う。 ただただ呑み込まれます。その出発点から、いろいろ。

むくどり通信 雄飛編

池澤夏樹の1997頃のエッセイ。沖縄に引っ越したころ。唄や旅の賑いと、基地や環境の真面目な話が交ざって出て来る。和んで読んで、でも思い出すのは真面目な話。植林はその場限りではいけない、たぶん何でもそうで、でもそれは難しくて、でも。ほっとしたの…

中国の古代文学2

なんで2だけ読んでいるのか自分に突っ込みたいですが、読めてとてもよかったです。自分の知らないことの多さに呆然ですが。白川静先生のこの本は神話の時代、古代1、古代2の3部作ということで、この2は史記から陶淵明まで。もちろんその二人は知ってい…

無言館はなぜつくられたのか

無言館に行きたいと、母上様が仰せられるのでその仕儀に。そしてデッサン館の受付で売っておられた本なので。こういうところで見たものは、機会を逃すと後悔します。むかしむかし、孔子廟で買い損ねた論語を買ったのはいったい何年後のことであったか…。 ま…

ぐるりのこと

梨木香歩。かなり社会に関わったエッセイ、でもぐるりのこと。梨木さんは外を見て共感を探し自分の中に醜さを探す。独りよがりにならず、沈まず、そして書くことに繋がる。だからこそのしなやかさ。

日本の島々、昔と今

有吉佐和子。むかしといま、といってももちろん今から見たらいずれも昔。いまこの島々ってどうなっているのかな。尖閣諸島はそのとき以上に対立が目立っていて。竹島も北方領土も進展してない・・・って、そんな島ばかりじゃなくって波照間とか隠岐とか屋久…

ワーキングマザーと子どもたち

久田恵のノンフィクションというかエッセイ?子どもがいなくても身につまされるよ。泣きそう。 それでも子どもはほしいんだよね。うらやましいのでした。