細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

むくどり通信 雄飛編

池澤夏樹の1997頃のエッセイ。沖縄に引っ越したころ。唄や旅の賑いと、基地や環境の真面目な話が交ざって出て来る。和んで読んで、でも思い出すのは真面目な話。植林はその場限りではいけない、たぶん何でもそうで、でもそれは難しくて、でも。ほっとしたのは暴行事件の報道の節制について。…ああ、それは不可能ではないのだと。悲惨な事件のさなかでも、そういう報道を求めたいのだ。