細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

2011-01-01から1年間の記事一覧

2011年の

2011年74冊。 12月(7)むくどり通信 雄飛編/風の王国/クジラの見る夢/チャングムの誓い 上/魔法の使徒 上・下/中国の古代文学2 11月(3)ビブリア古書堂の事件手帳2/君は雇用社会を生き延びられるか/はじめての疫学 10月(5)うつ自殺を止める/R…

むくどり通信 雄飛編

池澤夏樹の1997頃のエッセイ。沖縄に引っ越したころ。唄や旅の賑いと、基地や環境の真面目な話が交ざって出て来る。和んで読んで、でも思い出すのは真面目な話。植林はその場限りではいけない、たぶん何でもそうで、でもそれは難しくて、でも。ほっとしたの…

風の王国

久しぶりにコバルトを読む。史実を踏まえた文成公主物語。 気っ風のいい主人公に癒される、安定・信頼の物語(比較対照は彩雲国)。お勧めくださった方の言では最近の展開はシュガーレスだそうですが、そこまでちゃんと行きたいものです♪

クジラの見る夢

池澤夏樹と写真とイラスト。イルカ、ロブスター、そしてクジラと人間と。潜水家?ジャックはクジラを見ている、池澤夏樹はジャックを見ている。浮き立つような幸せを隠した文とクジラと人間を対比する美しい写真の山を納めた、字の多い絵本。。

チャングムの誓い 上

上・下を借りてきたらば実は中があったという衝撃で、結局上しか読んでない。ドラマは見ていないので、あらすじを追うだけでも興味深いけど。チャングムだけじゃなくて親世代から波瀾万丈という上巻でした。

魔法の使徒 上・下

マーセデス・ラッキーを久しぶりに読む。孤独と受容と喪失と、そしてほろ甘い美しい人生。否認の苦い苦い愛情。読後感すっきりです。

中国の古代文学2

なんで2だけ読んでいるのか自分に突っ込みたいですが、読めてとてもよかったです。自分の知らないことの多さに呆然ですが。白川静先生のこの本は神話の時代、古代1、古代2の3部作ということで、この2は史記から陶淵明まで。もちろんその二人は知ってい…

ビブリア古書堂の事件手帳2

シリーズ2作目、私にとって安心して読めるミステリ、かな。殺人や悪意を読みたい気分とは違うのです。題材を眺めるだけで幸せなのは、舞台づくりの上手さです♪時計仕掛けのオレンジくらい、手に届く本でしょうか。

君は雇用社会を生き延びられるか

センセーショナルなタイトルと斬新な構成ですが、中身はいたって真っ当です。職場で上司がお求めになったので借り。買うかどうかどうしようかなー。 労働法って、いまや賃金でもましてや組合でもないのかな。のかな、って疑問形が空々しいくらいかな。それで…

はじめての疫学

仕事で使う疫学の基礎の基礎。読んですぐわかるかっていうと自信ないけど、読む前よりは少しはましだと、っていうか、コホートと症例対照研究をごっちゃにしていた読む前の自分に言葉もないです。 (コホートは暴露した人の発病を調べ、症例対照は発病した人…

うつ自殺を止める

自殺を防ぐ、睡眠からのアプローチ。淡々と前向きな取組みが書いてあるのに何だか泣きそう。なんだろう、深い願いがあるからかなあ。

RDG3 夏休みの過ごし方

RDG♪そして舞台は戸隠です♪戸隠には大学時代毎年行ってたのであれもこれも浮かんでひときわ幸せ。あの神社さん、そんな由緒がおありとは。今回、大きくは変わらないけどちょっとづつ経験と自信を積み上げる、自分はどこに立つのかを受け止める、いいお話…

無言館はなぜつくられたのか

無言館に行きたいと、母上様が仰せられるのでその仕儀に。そしてデッサン館の受付で売っておられた本なので。こういうところで見たものは、機会を逃すと後悔します。むかしむかし、孔子廟で買い損ねた論語を買ったのはいったい何年後のことであったか…。 ま…

チャイナタウンからの葉書

ブローティガン作、池澤夏樹訳の詩集。ちくま文庫でそう厚くない、英文つきで64篇。日本語も英語も分かりやすい。俳句のようなという批評が納得の数々。 いちばんのお気に入りはおしゃべりな蝋燭。気になるのはゼロックス・キャンディー。蝋燭はふわっとや…

遠野物語

ついに読みました遠野物語、昔読んだ昔話集を思い出しました。それよりはるかに多様だけれど。マヨヒガとか単語だけでどきどき。子供と遊びたい仏様にどきどき。しかし何より収穫は、はじめて読んだ絵本のひとつ、ふえふきとうげに出会ったことです。赤の美…

ゴーストハント 海からくるもの

ついに来た来た発売日♪というか、予想してた日の前日に本屋に寄ったら置いてて歓喜。電車の中で読むのがいいかは謎だけど、でも家まで待てるはずもなし。 で、今回は前より怖くはなかったのですよ〜。ぼーさんの活躍もよかったし、少年のしたたかな実力も、…

ビブリオ古書堂の事件手帳

とあるブログでお勧めだったのと〈日常の謎〉+αという内容紹介をみて、最近〈円紫さんと私〉に夢中の私は買う気になったのでありました。古書というキーワードがあるせいか、よりミステリっぽい感じです。+αがなかなか深刻なせいもありますが。 比べるのは…

夜の蝉・朝霧

円紫さんと私の2冊め、5冊め。お姉様の鮮やかな夜の蝉、社会人の確かな歩みの朝霧。卒論を2週も前に書き上げますか…!リドルストーリー、俳諧、グラビア、ベストセラーに損な本。世の本は、いやいや芝居も日記もそして落語も、何もかも多くを背負う、そう…

手紙

東野圭吾。ドラマの予告を見たから読むに至ったのは事実です(笑)。まあ(笑)という話でもありませんが。 差別とか排除とか、なんだろう、この物語の展開がいいのかどうか、わからないけど。こうしかならないとは言いたくないけど、現実には違いない。希望のな…

ぐるりのこと

梨木香歩。かなり社会に関わったエッセイ、でもぐるりのこと。梨木さんは外を見て共感を探し自分の中に醜さを探す。独りよがりにならず、沈まず、そして書くことに繋がる。だからこそのしなやかさ。

琉球の風

陳舜臣。大河ドラマはどうしてちゃんと見なかったんだっけ、でもいま読む気になったのはテンペストのせい。 謝名親方と啓泰、啓山兄弟、だけでなく登場人物がみんな違う考えを持ってるあたりがそれぞれの味で。切り離された大島のその後を思うとそれもまた。…

不撓不屈

高杉良。ご縁あってお勧めがあり、そのすぐあとにたまたま行った古本屋さんでお見掛けして即買い(なにせ¥100)という出会いもの。企業小説なんてあまり読まないから、ありがたいものでございます。 なんとも峻烈な生き様で、共感も恭順も難しいけど謹んで…

ドキュメント 屠場

鎌田慧を読むのは実ははじめて?労働者の連帯について読むか、それとも、それより。 組立ラインを見て読んでどきどきするのと同様に、解体ラインを読んでもどきどきです。職業の差別、部落差別の話ももちろん出てきますが、なんだろう、ここで書かれているこ…

天使たちの課外授業

クラッシュブレイズの、とは言わないのかシリーズ名わからないけど新シリーズ突入だそうです。課外授業という単語は内容とミスマッチかと思いますが、新キャラ登場で賑やかにするのは楽しいです。

空飛ぶ馬

北村薫<私>シリーズの最初の一冊。3作め4作めと違って連作短編です。読んで圧倒されたのは、いちばんやな話、赤頭巾。そう来たか、ってのはやな話でもいいものですよね。もちろんただのやな話なんてお書きになる方でないので、それ以外にもこれはいいの…

ゴーストハント 鮮血の迷宮

いや怖かったよ…。電車の中でよかったです。ひとりであのシーンは厳しい。ページの左を先に見たくなるのを抑えつつです。それでも前作もそうですが、その後の展開で後味微笑ましいのが嬉しいです。追いついてしまったのがかなしい・・・。早く9月になあれで…

霧越邸殺人事件

ホラーが読めるならミステリも読めるだろ(笑)、というか小野不由美づいているので綾辻行人。これは装画も小野不由美です。 この本は当たりでした♪殺人事件と、別の不思議と、文章の読みやすさ。読者には分かりやすく書かれているのではないかしらん。推理し…

ユートピア

岩波文庫で苦にならない厚さのトマス=モア。ユートピアは素直にユートピアを書いた本ではなくて、熱狂とはほど遠い、けれど熱情あふれる思考実験なんだなぁ。 共産主義の失敗を現在の私たちは知っているけど、何が公正な社会、分配、労働なのかを追求する必…

友情

友情と恋愛は永遠のテーマで、でもいまこの言い方だけを聞いたら女性の話を思うのかな。巻末の解説(河盛好蔵)があまりにも過不足なくて、何も言えない。 どちらかを取るというものではない、誠であること。どう考えても容易くないので、やっぱり、しみじみ…

日本人は「やさしい」のか

前に読んだ「日本人はなぜ「さようなら」と別れるのか」がよかったので、同じ方の一冊、こちらの方が古いですが。 哲学としてはよくわからない、なんだけど、言語史としては文句なしに面白かったです♪JPOPから始めるところも含めて。 やさしは恥ずかしい…