細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

琉球の風

陳舜臣大河ドラマはどうしてちゃんと見なかったんだっけ、でもいま読む気になったのはテンペストのせい。
謝名親方と啓泰、啓山兄弟、だけでなく登場人物がみんな違う考えを持ってるあたりがそれぞれの味で。切り離された大島のその後を思うとそれもまた。みんな熱い割に淡々と物語は進み、その癖起きてる出来事は相当の、書きようによっては涙をそそる悲劇。いや悲劇でも喜劇でもなくそれは史実で、人はその中でそれぞれの最適解を探しながら、国をかけ命をかけ、したたかに、また打算なく。打算なくは計算がないのとは全然違う。
淡々としてるのに魅力的というか、淡々としてるから魅力的というか。よかったです。