細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

ぼくたちが聖書について知りたかったこと

池澤夏樹と聖書学の研究者(そして池澤さんのいとこ)秋吉輝雄氏との対談。詳しい素人と本当に詳しい研究者との対談で、やっぱりはじめて気づかされることたくさんでとても面白い。なにより一神教は一朝一夕にできたものではないということ、高度な概念、もとい、抽象度の高い概念は、当然あとからできる。そこにはいろんな何か、議論や布教や民族の集合離散やその他の歴史があって、そう思うとどっちかというと「嫌いなところ」だった一神教であること自体もいとおしい。

私は(僭越ながら)池澤さんと同じく関心はあるけど信仰はないひとりだけれど、それでも知れば知るほど嫌いになるわけじゃなくて好きになるのだ(だからといって、信仰を持つわけじゃない。それはまったくの別物)。仏教にもそういう機会は、いったいどこにあるんだろう・・・・歎異抄とか蓮如とかちょっと読んだけど、こういう風に面白いものって圧倒的に少ない気がするんだよな・・・最遊記読んで無一物を調べたときとか、これにいちばん近い面白さだったかなぁ。いずれにしても聖書TheBookほどの求心力って、ないよねぇ・・・。(あ、でも唱えた数なら正信偈や般若心経のほうがはるかに多いけど!)ううむ。