細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

ローワンと魔法の地図

エミリー・ロッダ。挿絵は佐竹美保。今月発売された空色勾玉の新書版も佐竹さんの挿絵だったのですよね〜。大きなバクシャーと添うローワン、私を引き込んで余りあります。
さて、きわめて上質な、正統派のファンタジー。いくじのない(と自己認識している)子どもが、前へ進む。その基本的な構図の中で、きわめて上質というのはこのお話が、何よりも寛容を伝えていると感じること。もちろん勇気についての物語なのだけど、勇気は称えられるべきものでまさに称えられるのだけど、全編脈々と波打つ寛容。いいもの読ませていただきました。
ハイファンタジーとしては(分量が)最も薄い部類に入ると思うので(指輪はもちろんハリポタよりもナルニアよりもゲドよりも相当薄い)、はじめにお薦めする一冊として最高かも。
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