細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

ポケット詩集

童話屋さんの詩集。このあいだの「おんなのことば」と同じシリーズ(?)の装丁です。編者の前書きが力強くてあんがいよいのですが、誰かと調べたら童話屋さんの代表者でした。
初読で特にうれしかったものは、まど・みちおの「くまさん」や「ぼくが ここに」、長田弘の「言葉のダシのとりかた」。井上ひさしの「なのだソング」の頭韻ならぬ音の選び方は軽妙で絶妙。辻征夫の「学校」も大岡信の「虫の夢」も、挙げ始めれば切りがないのは良い詩集ならもっともかしらん。
それから。久し振りに読んだ河井酔茗の「ゆずりは」の、ゆずり葉で感謝と希望を語るその文脈が、かなり痛々しく思われたことが辛かった。いつだったか初めて読んだときには違和感は無かったはずなのに。
→ Amazon.co.jp