細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

人生の教科書 よのなかのルール

藤原和博(はじめての民間校長先生ですね)、宮台真司、ほかたくさんの方々のコラム。これもうっかり立ち読みをしかけて結局買ってしまったもの。身近で(あるいは、無関心でいないほうがいい)ずっしりとした課題ばかりで、具体的な事例もたくさん、法律や経済や心理学の知識もたくさん、読み応え十分。
もっとも、誠実な教師が案内する「教科書の副読本」として使う場合はよいとして、ひとりで読む物としては中学生・高校生より大人向きになってしまっていはしないかとところどころ思ったり。たとえば、「なぜ人を殺してはいけないか」という問いが「承認」不足から来るのはよくわかる、その状況を変えるために試行錯誤支援型の教育システムに変えるべきだというのもよくわかる、でもここで終わったら、それはやっぱり大人へのメッセージじゃないだろうか。現行システムのただ中にいる(そして現に承認不足の・・・現行システムで承認が足りていれば問題が無いわけだし)少年少女は、やっぱり承認から放り出された気がしないかな。・・・・・まあ、読み応えがあるものだから全ての解法を示せるわけじゃないのは当然か。大人としては、目の前の他人に承認を。
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*ここでの「承認」は、自尊感情の前提となる他者からの肯定です。