細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

若者を見殺しにする国

赤木智弘。ふと読んでないなと思ったときにマーケットプレイスにあったから。でもマーケットプレイスでは著者に売り上げ入らないんですよね。でもでも、そういうのも含めての「ネット時代」だから生まれた書き手なんだよね。ううむ。
さて著者に印税が入らない形で読むことがうしろめたくなる内容です。前半は同調し難くて読むのがちょっと辛かったですが、後半で解消。ああ、そういうことか、と思えます。安定労働者と不安定労働者の間に線を引く。そうせざるを得ない、そうしなければ見て欲しい集団を見てもらえないという現状認識。それは正しかったのだと思います。
格差は正当化されうるのか。「ハードワーク」にもあった問いに、答えは否。いや状況からしたら否、労働を見たら是。ひとを見たら否、というか。正社員と非正社員の働き方は違う、やってる仕事も違う、だから賃金が違う、だけど入り口でひとにはたいした違いはなかったのです。30年前だったらきっと正社員になれてた人々が、いまは何割も非正社員となってその程度の賃金のみを得る。
労働からは是とされる格差だからこそ解決策はそう簡単には見つけられない。この本のいう解決策だって策じゃない。ただ声を上げること、それは価値のあるあることで、即効薬はなくてもちょっとづつ雰囲気を変える力はあったと思うのです。