細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

新しい労働社会

濱口桂一郎、官僚にして教授でブロガー、いつもブログに説得されてて「本」くらい説得されずに読んでみよう!・・・と思いつつさくっと読んだ後、そんな感想も書けずにはやもう1年と半分近くが経ちました。
しかしこの読書記は、読んだ本は全部残すんだって決意からなるのに喉に小骨みたいなもので、読み直して何度目かの再チャレンジです(笑)。

ってことで説得されないところを探して第4章、オビにもある(産業)民主主義の本分。
民主主義って何だっけ。話し合い?多数決?私はそれを結構混同していて、この本が私に教えてくれた最大(←説得されないところを探すんじゃなかったのか)は、民主主義と多数決は違うってことでした。正社員が過半数だからって、正社員だけ組合ではその民主主義の担い手たり得ないってのが最初の問題意識だものね。
話し合い=民主主義ってわけでもない、労働者の全体と使用者が決めるっていうその意思、プロセス。
・・・でもやってみたら結局多数決になっちゃうような気がするけど!最初から非正規を排除した多数組合が交渉するのと、全員加入の従業員代表組織で何だかんだで結局多数決にしようとなって多数者たる正社員意思が組織意思になるのとどう違うんだ。「何だかんだ」があればいいけど、出来レースになるんでは。

すべての従業員の利益を公正に代表するって義務(理念?)は、具体的には何なんですかね。理論ではわからなくても、やってみたらわかるたぐいのことなのかな。交渉でそれを手にしている組合はいくつか…いくつも?あるわけで。そもそも昔から非組管理職に関する協議もしてきたわけで。
非正規労働者を組み込むこと自体は、費用の問題さえなければできるような気もするんだけど、でもって非正規労働者の組み込みの有無にかかわらず、代表者はそれなりに善意で非正規についての議論もするんだろうけど(ほんとか?)まあでもぎりぎりのところ、やっぱり多数者の利益を優先するよね。
・・・それって組み込んでても組み込んでなくても一緒なんじゃ・・・。

組み込んでれば、福井さんみたいな人につべこべ言わせない!って効果はあるか。
組み込んでてその結果は、組み込んでなくてその結果よりも、どうしてかわからないけど(だって結果は同じなのに)でも確かに少しましではあるからそこからってことか。
まあ、多数決で多数派有利の結論しかでないとは限らないんだよね。非正規組み込んでなくても非正規の利益を追求する交渉だってありうるように。
あれ、話ずれたな・・・結論にかかわらず、組み込むことはいいことで必要なことでそうでなければならないことだと、うん、同意しますが(何でなんだろう・・)。

しかし、組合がない従業員代表組織って、どうやって動くんですかね。
人事係長が?(笑)協調組合と一緒でなんとなく持ち回り系で動くのか。同じように動くなら、組合と共存しなくていずれのっとられそうな気がするな。組合費払わずに協議してくれるなら私もそっちの方がいい。いいのか、それ。

そして従業員代表組織のみが残った、なんてのはhamachan先生の望むところじゃないように思うのですが、どうなんでしょう。
代表するならもういいのかな・・・?(職場のミクロな私としてはそれでいい) 連合は、労使委員会じゃなくてもやっぱりこういう従業員代表組織も反対でしょうか、だから。どうだろう、そうなると現実は、組合がせっせと非正規組織化っていういまの流れ?組合への冷めた空気はともかく、組合費がなあ、月●千円はやっぱり高いよ!200円くらいならみんな組織化できないかな?(でもやっぱり、「全員」と費用負担は矛盾するんだ、hamachanのおっしゃるとおり。200円でもやっぱり無理か。)
うーん。

対策は、現実的でなきゃならない。おっしゃるとおりでだから簡単じゃない。
とりあえず、こういう本や学生時代の労働法の授業やなんやかやが、いまの現実の組合活動じゃなくてそれらが、そりゃ不満もなくはないけど私に組合費をそれなりに納得して払わせ続けている、貴重な動機付けであるのでした。
(どーでもいーけど結局説得されてばかりだなぁ・・・。)