細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

「歴史認識」とは何か 対立の構図を超えて

大沼保昭先生の語り、江川紹子さんが聞き手。「「慰安婦」問題とは何だったのか」に加えて東京裁判や戦後賠償、そして「歴史認識」についてが語られる。
あとがきに曰く、ある人から見れば「自虐」論者、ある人から見れば「御用学者」。基本リベラル(という言葉の使い方も難しくなってきたけど)な、そして現実的な国際法学者の柔らかく俗だけれどもやはり理想を掲げる語りは私の耳にはすとんと落ちる。戦後賠償請求を中国が放棄したこと、東京裁判がなければ即決処刑であっただろうこと、慰安婦のときもそうだったけれど、知らないことがいっぱいある。そして韓国メディアへの批判、欧米の植民地主義への批判。それはやっぱりあるべき理想、日本を下げての理想でなくて、世界として進むための理想の語り。
次は石橋湛山について読んでみよう。