細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

約束された場所で

村上春樹、underground2。アンダーグラウンドがそうであったように、インタビュー集です。こちらは、オウム真理教に身を置いていた人、また、身を置いている人。ああ、わかるかも、と私も思う、そんな人たち。オウムにいいところ、人をひきつけるところがあったと、少なくともそう感じる人が多々いたということを理解できることと、けれど、あの事件は、何かの間違いなどではなくてオウムという組織、教義の必然ではないかという冴え冴えとした問いと。自分を人に委ねるな、その当たり前以上のことを私はまだ考えきれていない。
「あなた小説読めないでしょう」「ええ、ぜんぜん読めません」/「僕はたまたまどっちも説明できるけど」
この2箇所の会話、ひどく印象に残りました。私は自分があまりちゃんと小説を読める方だと思わないのですが(と言うとき「小説」という言葉に「物語」とは違う、それこそ村上春樹とか、村上龍(ほとんど読んでないくせに!)とかともすればよしもとばななとか、かなり狭い意味を持たせてしまっている自分がなぜかいるのですが)、読めないわけではないことは有り難いことで、そうでありたいことだと思う。
どっちも説明できる、は七転び八起きと青々とした緑、についてのご発言でしたが微妙に揶揄が入っているような(なんて読むのは性格悪いかしら^_^;)。読んでる私が揶揄しているのかも、まあね、わかるけどね、でも世の中君が思うほどおかしくないんだよ。そんな気分。
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