細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

石見銀山 銀の道

森岡勲さん。これは自費出版本なのかな?ともかく図書館で借りまして、というのもですね、石見銀山からの銀の輸送ルート、海路主体なんだか陸路主体なんだかわかってなくて???だったのでした(海路とは日本海経由であり、陸路とは中国山地を越えて瀬戸内海経由です)。
この本によりますと、江戸時代に入るまでは海上輸送がほとんどであったところ、慶長8年(1603)大久保十兵衛は海路・陸路をそれぞれ使い、即ちこれが陸路の試験利用であって、その後次第に陸路が中心となったもの、ただし海路廃止の年代は明らかでない、ってことでした。ああすっきり、嬉しいです♪
ってこの本のメインはそこじゃなくて、「陸路はどのようであったのか」なんですけどね。大森(銀山)から三次を通って尾道まで、3泊4日で行くんですってよ!もちろん歩き(+荷駄)で。雪踏み固め人足が必要とか、なるほど。助郷負担が厳しいので割り当てを変えてほしいって訴えを、藩公認(添書付き)で出してたり。で、宿対宿(村対村)で対審・示談・調停そして言い渡し・・・あぁ、これが「訴訟」なのか!けど原告の宿の負担は少し減ったけど、増助郷を言い渡されたのは被告の宿じゃなくて周りの別の村だったり。へぇぇ。負担に苦しむときの対応は、一揆だけじゃないんだねぇ(法制史の授業で何を聞いていたのか^_^;)。訴訟が取り上げられてから(←ここも突っ込みどころ)結審までに十年かかってるけど(-_-;)。
こうした助郷の負担や道の様子、お昼ご飯の中身など(*^_^*)、わかる限りのことが書いてあります♪
読みやすいとはちょっと言い難かったですが、難しいわけではなく、興味深い本でした。著者は古稀の記念にお書きになったそうですよ。感服感謝。

リンクできる書誌情報は見当たりませんでしたが、銀の道ってどんなルートかはこちらをどうぞ →銀の道(PDF)江の川博物誌