細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

フランスにおけるライシテ(脱宗教性)の歴史

クセジュ文庫ってはじめてかも。フランスの脱宗教性はカトリックとのせめぎあいだったのね。イスラムのスカーフにたどり着く歴史は長く、政治的で、すなわち現実と妥協と合法の中に相手を取り込むしたたかさ。
後書きにコメントのある、日本のライシテは、実際結構厳格かと。靖国くらいかな、勝手に入り込まれるのは…。参拝問題はともかく(あれは戦争責任問題で、宗教問題ではないかと)、拒む人を合祀するのはいただけない。あれ、宗教問題でないと思っちゃうところがまさに問題?
まあそうかも。でも少なくとも道徳は宗教に根差してないよね。それは決して悪いことじゃない。
ま、しかし。この本の醍醐味は、宗教が人生に根差す、挙げ句複数あったり対立したり、そんな抜き差しならないところから抜け出す葛藤にありました。