細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

論語紀行

坂田 新先生。NHKライブラリー12回シリーズの書籍化。最後に曲阜案内あり♪わたくし論語に目がないのです。大好きv孔子よりも(たぶんご多分にもれず)子路さんが好きで、あと子貢さんvちょっと判官びいき入ってるけど宰予さんも。
で、楽しく読めました。「儒」とは何か、とか。文革孔子の墓の石碑は壊されちゃったけど、いまはちゃんと継いで!また建ってるとか。孔子のお母さんは顔姓で、つまり顔回さんの顔で子路さんのお嫁さんも顔姓だったとか。姪っ子がいたとか。知らなくて楽しくて印象に残ったのはこのあたりですね。あと曲阜案内は全般に楽し。
けれどね、ぐっとくるのは何度でも知ってるところでもあるのですね。今回は「久しいかな、由の詐を行うや」病篤い孔子子路が過分な葬礼を仕度する話ですね。小康を得た孔子に叱られる、「むしろ二三子の手に死せんや」って。叱られてるんですけどね、「またやったね、お前は」ってその叱責の含む情愛。むしろ二三子の手に、だしね。もちろんここには子路も入ってる。・・・ってね、「久しいかな」の訳はここではそうじゃなくて「子路よお前は長いことやっていたもんだね、この偽りを」だったのですが。あれ?と思って帰って今確認した吉川幸次郎訳もそうなってる。吉川によれば、またやったね、という解は古注で、吉川大先生も「よくもまあ長いこと」を採られたいご様子。さらにちなみに吉川によれば、ここの叱責の語調、結構厳しいらしい・・・・^_^;。
いいんです、そんなこんなの一切が好きなのです。購入後まだ読んでいない(購入前には読了してますよ〜)吉川幸次郎論語」を、通読したくなってしまった土曜の午後なのでした。
→ Amazon.co.jp この本、宰予さんへの眼差しが何となく温かかったのも好感度高しでした♪