細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

中・高校生のための朝鮮・韓国の歴史

岡百合子。中学高校の社会科の先生だったそうで、それでタイトルがこんなことに。(たぶん)簡潔な通史でありますが、こちらに基礎知識がないので読み応えがっちり。好きなつもりなんだけど、朝鮮史。人間になった熊のお話と、春秋王ユシン将軍(いったん投稿してみたんだけど、漢字が表示されなかった・・・)あたりくらいかな、ここは知ってる懐かしい、って思うのは^_^;。後者を覚えているのは金蓮花の銀葉亭茶話のためなんだよね(ライトノベル)。もう続き出ないのかなぁ、好きなのに。あ、あと柳寛順・・・・・。
どろどろとした党派の争い、剣によらない争いで人が死ぬというのが今回いちばんの印象かな。儒学恐るべし、というよりやはり、ひと恐るべし。明るい古代史がやっぱり楽しいのだけれど、え、古代ってほんとに明るいのかな?慶州で見た瓢箪池・・・じゃない、鮑だ、鮑石亭址がふっと出てきて嬉しかったり。あそこ王宮(離宮)だったんだ。ってかあそこ、新羅だったんだ!(←知っとけ)
朝鮮出兵もとい壬辰倭乱、そして近代史。あるいは元寇。絡むところも淡々と、いやむしろ温かく。現代史(2次大戦後史)に入ると幾分左よりの視点が気にはなりますが、現代韓国史を通して読んだのはたぶん恥ずかしながら私は初めて。気がついたら通貨危機の時点まで。
誰かと語るに足りる知識を私は結局いまも持ち合わせないのだけど、こういう本をまた見かけたら読む、また。何度でも、と思えるあたたかな本でありました。
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