細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

近代の労働観

今村仁司岩波新書。う〜ん・・・、まあ有り体に言って、読むの辛かったです。古代には労働ではなく余暇が価値あるものとされていたこと、近代に価値観が転換し 怠惰=貧困=悪 とされたこと、労働に内在する喜びなるものはなく、そこにあるのは他者からの承認願望であること。まあ、承認願望が喜びの中心であるってことは否定しませんが、それでもいいじゃんと私は思うのですけれど。承認願望以外の喜びが皆無とも思わないし(もっとも、そういう喜びがあったとしてもそれをあっという間に飲み込んでしまうほど承認願望は深く強い、ってことには賛成しますが)。勤勉万歳の状況を批判し無為を再度価値付けしたいという意図はわかりますが、それにしても辛かった。承認願望を虚栄心と書き表されてはなおさらです。
承認願望も含め、いかに労働の中から労働の喜びを引き出すか。QCサークルカイゼンだって一面はそういうことのはず。その喜びは労働の本質じゃないとしても、それなしに働くよりそれがあって働くほうが幸せです。どうせ働くんですから!
まあでも、1日3時間労働になったら、それはそれで嬉しいかな(笑)。
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