細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

社会&人文科学

個別労働関係紛争処理事案の内容分析

ありそうでこれまである筈もないものすごい情報の山。裁判は「恵まれた」?レアケース、ダブルスタンダードはかねて言われたことだけど、これまで見えなかった紛争の姿。 行政から示すのもなかなか微妙、いや網羅的、毎年というよりも(それはそれで毎年され…

路上からできる生活保護申請ガイド

お友達から贈っていただいた貴重な品。いいのかな、私があれを持ってるままで。ためになります生活保護の仕組みもわかる。 水際作戦が起こる理由は何より予算と思いつつ、でもたぶんそれだけではない。いつまでもになりかねないことの違和感と、だからってそ…

ベーシック・インカム入門

光文社新書、山森亮。最近よく聞く?BIについて、よくわからないから借りてみた。 BIと負の所得税は資産調査の有無が違う。BIの要件に「生活に足る」額を求める人とそうでない人がいる。即ち、額は一律という人とそうでない人がいる。 働かなくならな…

労働法

待望の荒木先生の労働法の教科書、いえ去年の本ですよ、そしてもちろん去年読み終わっているのにいまさらいまの感想なのは、他にもまだ感想書いてない新しい労働社会に引きずられたから…ヾ(^_^; 労働法、労働契約法の入った労働法だけどそこもなんだけど国際…

哲学の誤読 入試現代文で哲学する

この本は面白すぎた。図書館で見掛けて永井均に中島義道に野矢茂樹、北大東大早稲田に名古屋。あ、大森荘蔵。ああ、著者は入不二基義。解きました!しかし難しかった…。学生時代にここまで難しかったかはわからないけど、哲学書は高3の私よりははるかにたく…

アイヌの碑

萱野茂。昭和55年の初版、1990年…平成2年の文庫、去年の12版。その間著書は亡くなられ、ただ著者が亡くなられたという以上にこの事実はせつない。そこはかとないユーモアと生活感に満ちた淡々と温い語り。そのなか切なく胸に残るのは、父親世代の嘆声。アイ…

憲法と平和を問いなおす

長谷部先生の立憲主義の本。ちくま新書。 分かりやすく単純化はしないと書かれていたけど、ものすごく分かりやすい…。思わず無批判に‘乗って’しまいそう。自分で考えはじめたら、もうこの本は不要と言われているのにヾ(*'-'*)。しかし読みやすい。サンデル先…

イギリスのいい子 日本のいい子

少し前のイギリスと日本、何となく論調にノスタルジーを感じるんだよなあ。ともあれ、自己主張と自己抑制は、対概念であろうとも、対立概念ではない、って訴え。言われてみればまことにまことに。

西田幾多郎の生命哲学

善の研究がさっぱり分からなかったので別の解説書というか西田論。 個が集まって全体だけど、個は単独ではなく相互に干渉する。現在の中に永遠がある。分かるけどやっぱり西田哲学はわからないのでした。

中世の刻印

家の片隅で見つけた古い岩波新書。読み始めたので一応読み終えた…くらいで、理解はしてない。 中世は暗黒だけでもなかったということでよいのかと思うのだけど、問い自体が独りよがりと思われるのは古い本だからっていう時代の制約かな。

善の研究

はじめて読みます日本のてつがく。もっともきっかけは先日のカントだからして、日本だけの話じゃないんですけれどね。分かったかと言われるとわかっていないわけですが、直感と認識と、ええと・・・?感覚と違うことはたぶん書いてないのです。そして思いの…

三聖会談

諸橋轍次だいせんせい、古本屋で見掛けた講談社学術文庫。孔夫子と太上老君と釈尊をお呼びして話す、場所を決めたりおいでになるご様子なり、そういった導入部が楽しい。孔子さまは山がお好きで老子さまは水が好き。お釈迦様は、ええと? 後の方になると鼎談…

ボランティアのみたカンボジア

小宮一慶。中田さん、高田さんの死のあとに、選挙監視員としてカンボジアに行ったビジネスマンの1か月。ちなみに図書館の除籍本、ページの糊がはがれかけてたせいかしらん。 内容はとても充実していて、かつ、読んで楽しいものでした。不謹慎な感想かも知れ…

カント 人と哲学

緑と灰色の背表紙の、レトロなシリーズ。あちこちの図書館で見かけていたけど、実は読むの初めてじゃなかろうか、と思うほどかなりれとろでした。ってな感想はともかく、この間の長谷部先生の憲法論の続きで手に取ったのでした。その前に読んだ「永遠平和の…

憲法とは何か

長谷部恭男先生の岩波新書。答えが最初にエピソードがらみで提示されて読みやすい、けれどもたまに論理を追うのにくるんくるんくるんと3回転くらい。私、法律から離れ過ぎかなあ…?法律というか、哲学ですか?(で、だから何で改正手続は改正手続に基づき改…

インドネシア遼乱

相方さまのご実家に置いてたスハルトの後の約2年。…面白かったけど、でもわからん…。基礎知識がないものだから右から左に抜けていくんだよね。基礎知識を入れるためにも読むよりないのでありますが。 選挙をしてても、体制が体制を維持するために打つ手って…

子どもの貧困

ふらっと買った岩波新書。貧困率発表の前に読んでおいて良かったな。 かなり衝撃的だったのは日本の場合、所得再配分前後で子どもの格差が拡大すること。計算方法よく分かんなかったけどさ、それにしても、ねぇ。高齢者も大事なんだけど、それにしてもねぇ。…

[情報編集力をつける 国語]

民間校長先生と、重松清、その他先生、生徒からなる「国語」の授業、教科書。取り上げられているトピックも唸らせられるのですが、それがストーリーに添いつつ展開していくのも成程ですが、しかし何より題材がすごい。あれを学校で、やりたいようなやりたく…

寝ながら学べる構造主義

内田樹を読むのは実ははじめてかも。合方の実家でうっかり帰り際に読むはじめてしまって持ち帰り。構造主義の人物歴史のカタログです。 タイトルのとおりと言っていいのか、電車の中でさらっと読むのにちょうどいい、特に後書き(笑)。もちろんそこまで読んで…

いつでもクビ切り社会 「エイジフリー」の罠

森戸先生の本はいつもおもしろい。すっきり過激な?定年とは、年功とはなんだろう?って本です。 いえ、ご主張はすごく穏当ですよ、過激は手法、本の書き振り。タイトルももちろん意図してでしょうが(それとも出版社のせい?)エピソードのひとつふたつが、…

文明としての教育

山崎正和はいま中教審の会長さんなんですね〜。で、この本ですが、遵法教育はできるが道徳教育なんてできないっていうご主張はよくわかります。しかしそんなことより圧巻なのは、敗戦直後の満州のどこかの、そこで日常生活が、あまつさえ学校教育があったっ…

永遠平和のために

カントです。薄いんですよ、すっごく薄い。しかしながらものすごく時間かかってそのうえいまだ分かっていない。 社会の授業でタイトルだけ知ってる本って、しかし知るにはほど遠いなあ・・・。国際法の先駆け、夢物語かと思いきや国際連合は実現している、・…

労働経済学入門

大竹先生の新書版労働経済学教科書。大学時代に労働経済はとったけど、それは人事管理史よりだったから、ミクロ経済のこの本はとても面白く、知らないことだらけだった。基礎の基礎だけに、ぎりぎりついていけるかなってところで。現時点向けに補訂されてい…

雇用はなぜ壊れたのか

大内伸哉先生のちくま新書。労働者の論理vs会社の論理の枠組みで語られる労働法の基礎かつホットトピックは、読みやすく、そしてめちゃくちゃバランスとれていて、・・・読み直すまで内容思い出せなかったよ(^_^;)。解雇規制は誰の利益か、それは結局バラン…

名ばかり管理職

いつか読まなきゃを図書館で(買えよ!^_^;)。いかに労働の本とはいえここまで監督署が出演(?)するのもめずらしい。

実録 男の介護

舛添大臣の、といっても介護保険施行直後のはるか昔の著作です。税方式と保険方式、個人をみる年金と家族を支える介護保険。橋本龍太郎さんとか対談に出ておいでです。負担のトータル、サービスの確保、そして負担と給付増。結構胸にすとんと落ちる、政治の…

日本をダメにした10の裁判

チームJ、とはなんじゃらほい、と思いつつ、巻末にはちゃんと署名?がありました、10の裁判。とあるブログで拝見していて、興味あるのはもちろん最初の二つ、東洋酸素と東亜ペイントでございます。 んでもって、東洋酸素の評釈は新鮮でした。解雇法理が非正…

誰が本を殺すのか 上・下

佐野眞一。以前からその存在は気になっていたけれど、探すまではしていなかった1冊(いや文庫版なので2冊なんだけど)です。ふっと図書館で(笑)、返却棚でこんにちは。 図書館で、に「(笑)」がつくのは、私がこれを図書館問題の文脈で知ったから(苦笑)…

今に生きる親鸞

吉本隆明。今度は破戒僧の親鸞さま。哲学者でもある。宗教家だったかな?いや、多分ちゃんと宗教家の親鸞上人だったと思いますが、忘れちゃった。 宗教の大衆化が、当時の批評の引用とともに語られて、この間の本よりは評伝だなあという感じ。しかしあんまり…

親鸞をよむ

山折哲雄。読む、というかとてもエッセイに近い感じ、次の吉本隆明の親鸞とはだいぶ違う、破戒僧というよりも経も読まないことはない、人を殺した人は如何にして救われるのかを問う、和讚をうたうまどやかな親鸞がみられます。 しかし実際どんな人だったんだ…