細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

誰が本を殺すのか 上・下

佐野眞一。以前からその存在は気になっていたけれど、探すまではしていなかった1冊(いや文庫版なので2冊なんだけど)です。ふっと図書館で(笑)、返却棚でこんにちは。
図書館で、に「(笑)」がつくのは、私がこれを図書館問題の文脈で知ったから(苦笑)。図書館=無料貸本屋問題、批判の急先鋒…かと思いきや、思いの外著者は図書館を愛しておられました。ちょっとほっと。
市場規模がそのままで、出版点数が増えていく、そんな世界で儲かるはずがないことなんて誰が考えてもわかりきっていることですが、いったい誰がそれを止めるのか。まして注文した本が実は本屋に届かない、そんなシステム不全が起こっていたなんて知らなかった。起こっていた?起こっている?
アマゾン上陸前夜のこの本、上陸後/文庫化の検死編がついていましてそれでもそれは2003年。ブックオフはますます栄えてネットショップは様変わり。どちらも私は大好きですが。図書館も。そして、本も。
このミス!でその本を読む読者は読者なのかと問い、読者でしょ?と作者に言われたりする著者のちょっと古風な「良識」が、少々鼻につきもし微笑ましくもありますが、端から端まで興味深く、そして面白い本でした。今井書店がそんなにやる奴だったとは、使ってたときは知らなかったさ〜。
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