細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

個別労働関係紛争処理事案の内容分析

ありそうでこれまである筈もないものすごい情報の山。裁判は「恵まれた」?レアケース、ダブルスタンダードはかねて言われたことだけど、これまで見えなかった紛争の姿。
行政から示すのもなかなか微妙、いや網羅的、毎年というよりも(それはそれで毎年されてる)多岐にディープな一部の分析。事実だけでもまさに研究者の面目躍如、鉱山がここにあるという気付きがすごい。
さていろいろ。判定しないからの解決、金額、その裏の不成立。だからって強制が最適解ではない。基本的にはあまりに安い、そう思うけど。解雇の金銭的解決を導入したらもう少し上がるんじゃなかろかとも思うんだけど。(制度的に定めれば予告手当より低いことはないはず、無効のケースだし。で、非判定スキームでも、無効ケースの半額程度はいくんじゃなかろかどうだろか。高額解決ケースにはマイナスだけど、上をみるより広さをみるべき?)何にせよこの制度、広さを劇的拡大したすごさが事例からしみじみ見える。
金額にかかわらず、紛争の終結自体には価値がある。水掛論的紛争ならなおさら。