細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

いつでもクビ切り社会 「エイジフリー」の罠

森戸先生の本はいつもおもしろい。すっきり過激な?定年とは、年功とはなんだろう?って本です。
いえ、ご主張はすごく穏当ですよ、過激は手法、本の書き振り。タイトルももちろん意図してでしょうが(それとも出版社のせい?)エピソードのひとつふたつが、楽しい上に先生大丈夫かしらと他人事ながらどきどき。相手方の先生も、私はどなたか分からなかったけれども御同情申し上げます。
でも、長上を敬う私たちの言葉遣いとか何やかと、年功・定年がそんなに直接絡んでいるかどうかはどうかなあ。分かるけど私の実感とはとてつもなく違って、まあそれでも先生と同様に年齢差別禁止はすぐには可能でもでもないと思うので(あ、これは出口の話)、同じく思うその何かって、やっぱりこの文化なのかな。
入口の、理由説明と理由限定の悲しい関係のその話、先生のおっしゃるのも役所のやることも分かるんだよなあ…。限定列挙は確かに思考停止のカンニング、だけど明確な規制・義務ではじめて動くってこともあるわけで。…ていうかそんなの、たぶん役所も先生もとうにきっとご承知で。焦っちゃいけないってことなのか、悠長にやってらんないってことなのか、結局どれが効果があるのか。労働でどっちも分かるってトピックは、大体利害の対立案件なんだけど。これは単に手段だけ。
だから「単に」なんて言えないんだよね、目指すものが同じでも、どっちがいいかわからない。…手続論しかないのかしらどうかしら。
そう思うと何か納得いかないようなヘコむような気がする自分って、単純さしか求められない子供だよなあ、要精進。