細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

「論語」の話

吉川幸次郎先生。2008年の一刷ですよ。もちろん中身は古くって、1966年のNHKラジオ放送。でも全然古くないよ〜。
いくつかの節を(詩的に)美しいと記す(じゃない、語る)語りぶりが大好きで、そしてこの本一番の収穫は、君君たらずとも臣臣たれの出典です。もちろん論語じゃありませんよ。論語がいうのは君君たれ、臣臣たれ。
で、吉川先生もこれを熱心に探されるのですね。いったいこのおかしな(?)言葉はどこから来たのか。ずっと探されあるいは日本で発生した言葉ではないかとさえ疑い。「しかしとうとう」見つかりました。それは孝経の注釈のひとつ古文孝経孔子伝の序文であったそうでございます。探されたお気持ちも見つけた時のお気持ちも(「うれしかったのはうれしかったのですが」)ひどく分かる気がいたします。(僭越だなぁ)
ともかくこの組み合わせはどのバージョンを読んでも幸せなのでありました。