細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

ベーシック・インカム入門

光文社新書山森亮。最近よく聞く?BIについて、よくわからないから借りてみた。
BIと負の所得税は資産調査の有無が違う。BIの要件に「生活に足る」額を求める人とそうでない人がいる。即ち、額は一律という人とそうでない人がいる。
働かなくならないか、という問いにはいくつかの答えが与えられ、働きたくなるという答えはある程度ほんとかもしれないけれど、でも嘘かも。ほんとにそうなら働かない人には同じ烙印が捺されてしまうのでは。BIによる小さな政府、一律給付の裁量のない、審査に人が貶められない社会では、必要な人が必要な額を得られない。医療、介護、必要な額は一律でないから。別建てで上乗せするなら、いまと変わらない上に二重行政。足りない、おそらく働けない人ほど働かなければなんていうのは困る。
それでも目から鱗なのは、「そんなに働かなくてもいいのでは」。そう、私たちは完全雇用を目指してる。だけどそれはきっと無理で、そして、それは必要なの?無駄なものを作る必要は確かにない。世の中の労働の絶対量を減らしていい。そう、だねぇ。
いろいろ考えさせられました。いまの私たちの社会保障生活保護が、本当に足りない人に本当に足りない分を確かに渡せるようにするには。さらにはそれが、働くインセンティブを損なわないためには。土地から利益を得るのは確かに不公平かもしれない。子どもにBIはいいかも知んない。親じゃなくって子どもに渡す?病人や障害者に払うよりは医療介護を無料化する?介護機器の選択を考えるとやっぱり現金?
必要に応じた給付はBIよりは保険にでは。審査が人を貶めないための権利性が保険の保険たる所以のはず。
理想を語るのは、現実をどうにかするため。さらっとですが勉強になる本でした。