細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

2008-01-01から1年間の記事一覧

李商隠 高橋和巳コレクション4

河出文庫の没後25周年コレクションの4。図書館で借りたのですが、買おうかなぁ、どうしようかなあ。小説家ではなく中国文学者としての高橋和巳、でも、確かに同じひとですよ、この丁寧さ!(>_学術書なんです、1958年出版の中国詩人選集@岩波書店。李商隠は…

流れる

幸田文、実は初めて。働きに支えられたきりりとそして細かな、ぴんと張った感情に裏打ちされた観察者の眼でみる厄介で繊細な女の世界。淡々とした文章かと思いきや、結構こちらを飲み込んでくる。凛と歯切れのいい、よどみなく清冽で、といって擬態語の多様…

故郷へマのつく舵をとれ!

いつの間に出てたんですか、のまるマ最新刊。駅構内で見かけて思わずというか慌てて購入(笑)。無事に落ちをつけまして、故郷に舵を♪だいたいにおいて話を閉じるときにはあらすじ重視になるもので、キャラの魅力は待て次章(^^ゞ。 → Amazon.co.jp

日本語は悪魔の言語か?

小池清治、角川oneテーマ21。悪魔の言語のように難しい、とザビエルさんが仰ったそうな。書名って上手いよな〜。ちょっと独り善がり?なんて部分もなきにしもだったけど、まあふつうに面白かった、って読了後何覚えてるかは・・・ええと。森有礼がひらがなの…

私たちは長崎にいた

永井隆編著。もちろん長崎の、そう原爆の体験記であるのですが、あの日から5年、ここに語られているのはあの日から生まれた人と人との間のひび。それは声高に語られているのではない、人は我が身を思い返すのですが、我が身との間の、人との間の、ひび。痛…

ホントに、この人と結婚していいの?

図書館でついつい立ち読み、読書記載せたくないから途中で読み止めようかと思いもしたけどさすがにそれもあざといかなあ、の人生論?。ともかく、誰しもけんかはするものだ、ということで。ま、いいか、と回避するべし。→ Amazon.co.jp

傭兵ピエール

佐藤賢一。しっかり楽しませていただきました、好色本?(苦笑)。何というかですね、佐藤賢一3冊目なんですけど、なるほど、そういうものなんだな。でもそういうところも(そういうところが、とはさすがに言わない)好きなのだからして、また見かければ次も…

ハロー?

ヨースタイン=ゴルデル、私が今まで読んだゴルデルの中で、いちばん幼い時期から読める一品かな。そのせいかそのせいではないのか、深みが微妙に消化しきれずに言葉で滑っている気がしないでもない。でもふしぎに(そして)ほほえましい。挿絵の存在感も大き…

安部公房 大江健三郎集

現代日本の文学47、学習研究社。これまた前の図書館で、読書週間にいただいてきたもの。どちらも初めて読むわけじゃないけれど、でもまあ限りなく初めてに近いかな?まずは安部公房、このひと、赤い繭みたいなのばっかり書いてるわけじゃないんだね〜。 昭…

雅歌を読む

榊原康夫。牧師さんかな?雅歌そのものが読めることを期待して借りたので、期待はかなえられましたがそこにたどり着くまでは少々長かったかも。分量的には大したことないんですけどね、なにせ読者がすでにそれを読んでいる、その前提での文章なので(まあ、…

結婚式っておもしろい!?

たかはしみき。こげぱんのひと、ってこげパンのイラストは見たことあるけど漫画はないかも(って、あるのか?)でもほかでも何か読んだことあるような、ううむ。まあいいや、ついつい本屋さんで平積みをさっくり立ち読み。結婚式場がどこか分かっちゃったの…

鴎外 闘う家長

山崎正和!確かにこの間鴎外記念館に行って、いったいあの家族への手紙の溺愛ぶりはなんなんだろうと思いはしたんですよね。すこし無理をして家長たらんとし、最後の方、長男から紹介されるエピソードはひどく痛々しい。鴎外は父親の存命中から家長となって…

マリア様がみてる マーガレットにリボン

週末にさっぱりと楽しみましたいつもの名高いライトノベル。志摩子さんのお話とか聖さま利江子さま容子さま。あれ、祐巳ちゃんのお話ってあったっけ・・・あったな(笑)。いつもながらたいへん楽しく読みました。いつでもほっとできる読み物であることに感…

彩雲国物語 黎明に琥珀はきらめく

家の近くの本屋さんでは買えなかった(1冊しか入荷できなかったらしい)彩雲国新刊。GWのさなかに出かけた先で相方さんを待たせて購入f^_^;いやしかし買えてよかったです! これまた待望の絳攸様編、藍様編が実は藍様編でなかった程には絳攸様編でないこ…

キップをなくして

池澤夏樹。ヤングアダルト充実の図書館です、とこの一冊で判断するのはいかにも早計ですがその気分。読みたかったからね。 駅の子の話だけど主題は駅じゃありません。でも楽しいのは鉄道の小話(笑)。さっぱりしみじみ、よい物語でした。

「論語」の話

吉川幸次郎先生。2008年の一刷ですよ。もちろん中身は古くって、1966年のNHKラジオ放送。でも全然古くないよ〜。 いくつかの節を(詩的に)美しいと記す(じゃない、語る)語りぶりが大好きで、そしてこの本一番の収穫は、君君たらずとも臣臣たれの出典で…

行人

感想ようやく追いつきました。さて。 この古典はこれまたどこで手に入れたんだか、ものも古い。まあでも紙は茶色いけど旧字体じゃあないからいいや。3年くらい放置していたかと思うんですが、読み始めたらさくさくと。っていうかハーレクイン?とか思ってい…

蓮如

3か月開いてこちらの図書館で借りることができました講談社学術文庫、笠原一男。1月に県立大学図書館で借りたときには読了前に返却期限/利用不可期間が来てしまったのでした。 で、先日の正信偈に引き続く我が家の教えを理解しようシリーズなわけですが、…

別冊図書館戦争 1

別冊なのでおまけです。表紙(帯かな?)で予告されてるとおりべた甘です。どこかに読まなくても差し支えないとも書いてあったような。作者のお言葉であるから(あるから?)いずれも正しく、楽しみました。仕事をしている柴崎さんも凹む彼女も素敵です。別…

ダーリンは外国人 with BABY

本屋で見かけてつい^_^;。楽しかったけどちょっと身につまされる。あのお二人でも険悪になるんだ(:_;)子はかすがいでもあるところ、それだけでもないのもまた。 それでも笑うところもあり、それだけ真面目に前向きです。妙にニヒルなトニーニョのイラストが…

一瞬の風になれ

佐藤多佳子。これも妹ちゃんが貸してくれました♪評判高いのは聞いていたから結構長いこと読みたかったのですよね〜。 高校3年間の陸上部。陸上ってああいう競技なんだ。知らない世界を近しく憧れを持ってみる。それだけでも嬉しいのに、引き込まれて息を飲…

生物と無生物のあいだ

福岡伸一。これは妹ちゃんからお借りしたのですが、めちゃくちゃおもしろいです。語り上手いよ!分子生物学がどういうものかを、歴史と手法と成果を語っているのですが、上手い〜。 研究者たちのどろどろ、遺伝子、エントロピーは増大すること、そしてイキモ…

コタンの口笛 第二部

何故いきなり第二部かというと、第一部は子どものころに読んだからです。多分岩波の、結構立派なハードカバー。ナルニアとかトムは真夜中の庭でとかと同じの。どの年かの誕生日かお正月かに貰って、読み終えて第二部を買ってもらおうとしたら確か絶版だった…

黄泉の王―私見・高松塚

よみのおおきみ、梅原猛、1973。もっとも文庫は1990版で、こちらも図書館のリサイクル品。 隠された十字架も水底の歌も読んでないのにね(^^ゞ。いえそれらを読みたくなったのだからよかったのです。どきどきする主観に満ちた歴史。ともかくにわか石見人であ…

告白 下

通勤時間が飛躍的に増加したため読書量も増えました。ついでに言うと昔お友達に通勤電車でファンタジーは、と申し上げたことを後悔していたり。通勤電車の中でなければなおいいのだけど、通勤電車の中でも読めればそれ以上のことは。 と、閑話休題、告白です…

サイモンの災難

茅田砂胡、クラッシュブレイズ何巻目だろう? 引越しのばたばたの中ふと目の前に本屋を見かけそのままふらふらと手に取ってしまった懐かしの本(新刊です^_^;)。さっぱり楽しんだ。今回気になることもあまりなかったんだよね。幾つ飛ばしてるか知らないけど…

yom yom Vol.6

雑誌は読書記の対象外のつもりだったけど、でも。定価780円(!)p596、広告と言ったらパイロットのだけで、それも含めひたすら文章。いや文庫本より高いとは、ほんと、思わなかったのでした。でも内容に比して高いとは、口が裂けても言えないのです。 小野…

おしまいの日

新井素子、1992年。何書いてもネタばれですよ、ううむ。 後書きの素子さんと旦那さんの会話が素敵なのです♪ふふふ。 それでは、あとは下へどうぞ。 → Amazon.co.jp

近代の労働観

今村仁司、岩波新書。う〜ん・・・、まあ有り体に言って、読むの辛かったです。古代には労働ではなく余暇が価値あるものとされていたこと、近代に価値観が転換し 怠惰=貧困=悪 とされたこと、労働に内在する喜びなるものはなく、そこにあるのは他者からの…

大学生の教職観と日常意識に関する調査

本、と言っていいのかってところはあるんですけど、これはある年大学祭でもらってきた研究発表です。手作りで製本されてるの。長いこと持ち運んできたのですが(積読、というか立て読く(^^ゞ)、ついに読み終えました。 17人のゼミレポが載っています。共…