細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

小説/大人と未来のおとなに

世界の名探偵 ミス・マープル

実はあまり読んでいないミステリー。ポワロもクイーン(並びがおかしい?)も、あと誰がいるんだっけ。 というわけで、ミス・マープル。短編がいくつか集められておりました。よかったのは溺死かなあ?私の重視は謎解きじゃなくて語りの作りのようでございま…

いっちばん

若だんなの短編集。途中たくさん飛ばしているんだけど、こころ穏やかなエンターテイメントが読みたくて借りて来ました。 目的は果たされました♪信頼できるってありがたいことです。

ゴーストハント 旧校舎怪談・人形の檻

仕事が少し早く終わったので本屋に寄ったら、ゴーストハントのリライトが出ていて思わず2冊一度に買ってしまった。 小野不由美のティーン向けの文体も一興です。はっきり言ってホラーは怖いので(でも小野不由美は好き)怖くなったらどうしようと思いつつ読…

世界空想動物記

これまた図書館の除籍本。さらっと楽しかった。やはりペルシャはアルスラーンだね、ってことで。 追記。カテゴリがわからない・・・。小説じゃないけど、ううむ。

オドの魔法学校

ファンタジーらしいファンタジー。主人公がトリックスター、ひたすら地味だけど地に足着いた魔法の匂い。芸人はともかく王女まで出て来たときには一体どこまで拡散するのかと思ったけれど、ぎりぎりまでそんな感じが最後にくるっと輪を閉じる、まさに巧みな…

つくもがみ貸します

図書館で和みたくなった畠中恵。短編集かと思いきや、続きものとして引くのが魅力。挙げ句にお気に入りはつくもがみにもまして幽霊の裏葉柳。そして割れうるやきものの、ぴんと張った清涼感。

分身

初めての東野圭吾。突如本が買いたくなって、迷った挙げ句のこの選択。平日2日であっという間に読まされました。 息詰まる展開、重い心理、でもそれにとどまらない物語の結び。思いのほかの読後感はかなり久し振り。私がここにある。それってどういうことだ…

紅梅白梅

曽野綾子。塩狩峠から逃げている私は、長編を読むのははじめてかも。ある少尉の数か月。慕う女。女のねっとりした低く濃い慕情と作中現われる書き手と語り手の客観が戦場の背景で作品を支えている。感情移入や共感とは違う形で、しかしこの少々とりつきにく…

アブサロム、アブサロム!

ウィリアム・フォークナー著、篠田一士訳。でも、読んだのは池澤夏樹の影響です。世界文学を読みほどくとかで挙がっていたから、興味と見栄とか意地とかとで、って借りるまでも相当時間がかかっているけど(世界文学〜を私が読んだのは2006年^_^;)。しかし…

黄金の王 白銀の王

澤村凜。とあるお友達から熱烈なお勧めを受けまして。 確かにそれだけのことがある、しゃんとした、苦くも強い物語でした。 二つの族の二人の王、何がなすべきことなのか、なすべきことがなせるのか、たじろぎつつもそれは胸の内に抑えて。名を捨て、謗られ…

真理先生

読んでいたら「まりせんせい?」と聞かれてしまいました、いえいえ「しんり」先生です。武者小路実篤、なぜまたこれを衝動買いしたのか謎ですが、読み終わったのですからよしとしましょう。 善いひとばかりの小説が目指されたようで、確かに穏やかで正しく、…

武蔵野

国木田独歩、明治34年。もちろんかなとか旧字体とか読みやすくされてはいるけれど、初版と同じ構成は、レトロに盛りだくさんの地味さと楽しさ。 武蔵野の林と起伏、少し寂しくまた広く、きりりと冷え込む清しい空気。少し甘いのだいぶ寂しいの、穏やかなのと…

まんまこと

畠中恵、しゃばけシリーズではないのだけれど、同じようにお江戸の人情話&判じ物。裁きとは違うけれど真実を根に据える調停は、読んでいてふううと唸るっていうか安堵の吐息。

牛肉と馬鈴薯

国木田独歩、武蔵野とか牛肉と馬鈴薯とか、と職場の大先輩にある日言われて、いや、すみません、読んでませんと答えたのが口惜しいというか恥ずかしいというかもっと単純に燃えるというか。まあ、きっかけというやつです。 で、ほんとに牛肉が出てくる話を想…

妊娠ダイアリー

実家に転がっていた小川洋子。表題作のほか、「ドミトリイ」と「夕暮れの給食室と雨のプール」を所収。姉夫婦と自分とニンシンの、淡々としながら怖いくらいの微妙な不安定さのバランスもよいですが、同じように不安定な怖い均衡にありながら、土の手触りス…

阪急電車

有川浩の短編集?阪急電車が行って帰る、お話も行って帰る、それぞれ独立しているけれど、少しづつちゃんと全部繋がっている。 同じ空間にいるんだからさ、繋がっていて当たり前なのかもしれないけど。町ってそういう空間かな。都会になるとそうも言えない、…

スリーピング・ビューティ 1〜3

アン・ライス。ええっと、ポルノです、官能の旅立ち、とか全3巻。なんというかすごかったんですが、眠れる森の美女、の続編という体裁の、その体裁の意味のなさというかこれもまたありかもしれないというか、・・・それなりに面白かったことを告白しておき…

海と毒薬

遠藤周作。この間、というかしばらく前に白い人、黄色い人を読んだので。次はこれだと解説に書いてあったので(^_^;)、それで。 読みました、が。・・・・・。・・・・・。淡白すぎて分からない!いえ多分、単純に分かろうとすることが間違いなのですが、私の…

最後の殉教者

初読だったのは表題作ではないんだよね、留学時代の経験を題材にした品々とか。遠藤周作の初期の作品集。 でも再読の表題作の印象が最強です。これは私が昔読んだ児童文学全集の編者を称うべきかな(笑)。

白い人・黄色い人

遠藤周作。読んだことあったかなあと思いつつ、借りて帰ったら多分やっぱり読んでなかった古典です。 それぞれの主人公の荒みというか疎外というか、興味深いとは思うんだけど、それは宗教の存在不在のなせる業なのかなあ。 最初から宗教の、というか一神教…

イノセント・ゲリラの祝祭

年末に妹ちゃんに貸してもらった緑のバチスタ(笑)@海堂尊。さすがにこれは、ミステリーじゃないよねぇ?(^^ゞ赤ほどじゃないけど、楽しかったです。お役所の検討会の姿は、さもありなん^_^;。坂田局長でしたか、いい味出してます。さて次は、何色かなあ?…

若きウェルテルの悩み

古典!まあ、しかし、多少いらいらしつつもなかなか面白かったです。なんせウェルテル君は、人生を謳歌している〜。ただの横恋慕ではない辺りもどきどきします。相性って、ある。 しかしウェルテル君が悩むのも、道徳的でありますね。彼は浮気したわけでも、…

堀田善衛・深沢七郎全集

記念碑、河/笛吹川、東京のプリンスたち、アペニン山脈にて。堀田善衛を読むためにもらってきたのだけど笛吹川(深沢)に飲み込まれました。東京のプリンスたちは何だか微笑ましかったな。河は滔々と流れておりました。思想には賞味期限があるかしらん。多…

静かな大地

池澤夏樹。読みたい本がネットで確保出来るって有り難い。 これは淡々と、淡々と重奏低音を聞きながら滑って行く静かな物語。波瀾万丈なんですけどね。官立農園の若い空気が眩しくて、葬送に家を焼く風習の温かみと重みを思って…最後まで語っていくとネタば…

空の中

有川浩をだんだんさかのぼって行っています、っていうか引っ越していまの図書館で最初に検索かけて最初にネット予約した本。18人待ちをついに借り、もちろん読んで速攻返しましたよ。いやはや、待った甲斐ありました。海の底より痛くなくて甘さ強めで、で…

別冊図書館戦争2

図書館戦争シリーズも、これでみんなお終いです(>_ 緒形副隊長が1話とってます。これは文句なしにすごく良いです。 → Amazon.co.jp

しゃばけ

畠中恵。この間yomyomを読んでから、読みたかったのですよ、のあやかし推理小説?。穏やかに、しっかり楽しませていただきました。と、その穏やかさの中に筋をすうっと通すのが、それあってこそ素晴らしいシリーズでございます。続きもきっと、読みますよ。 →…

流れる

幸田文、実は初めて。働きに支えられたきりりとそして細かな、ぴんと張った感情に裏打ちされた観察者の眼でみる厄介で繊細な女の世界。淡々とした文章かと思いきや、結構こちらを飲み込んでくる。凛と歯切れのいい、よどみなく清冽で、といって擬態語の多様…

傭兵ピエール

佐藤賢一。しっかり楽しませていただきました、好色本?(苦笑)。何というかですね、佐藤賢一3冊目なんですけど、なるほど、そういうものなんだな。でもそういうところも(そういうところが、とはさすがに言わない)好きなのだからして、また見かければ次も…

安部公房 大江健三郎集

現代日本の文学47、学習研究社。これまた前の図書館で、読書週間にいただいてきたもの。どちらも初めて読むわけじゃないけれど、でもまあ限りなく初めてに近いかな?まずは安部公房、このひと、赤い繭みたいなのばっかり書いてるわけじゃないんだね〜。 昭…