細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

妊娠ダイアリー

実家に転がっていた小川洋子。表題作のほか、「ドミトリイ」と「夕暮れの給食室と雨のプール」を所収。姉夫婦と自分とニンシンの、淡々としながら怖いくらいの微妙な不安定さのバランスもよいですが、同じように不安定な怖い均衡にありながら、土の手触りスイーツの甘さ、ふんわりとレースのカーテンを揺らす風と光がやわらかな、ドミトリイがいち押しです。