細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

翔太と猫のインサイトの夏休み

永井均。だいぶ前から読みたかった一冊、ランドリ彩雲国と抱き合わせでアマゾンで購入(笑)。おもしろかった!けど、読んだだけです、哲学はしてない。でもおもしろかった。ほとんどお話仕立てにはなっておりませんが、でも、その少しの仕掛けは哲学、をするのにけっこう効いてる。わたしはだれ?
・・・あれ、もしかしてこれ、ソフィーの世界のアンチテーゼだろうか?いやいや、そんなことはどうでもよくって。
<子ども>のための哲学の方が、読みやすいとは思います。こっちの方が、幅が広い。「きみって本当に馬鹿だね!」「君は哲学の天才だよ!」くるくると繰り返されるインサイトの言葉のざっくりとした切れ味、テンポが好きで。哲学をしようがしなかろうが、わたしは世界を持っている。だから、だから哲学が嬉しい、哲学をしていないのに(<すれば?)それが分かると言うのはどうかと思うけどでも感じられる、永井均に惹かれるのはそのどこまでもの<わたし>の肯定、考えることの肯定、愛の切れ味が、これだけ生半可に読んでも(読む=生半可だったりする、そのことははっきり作中で釘を刺されている、確かに「読む」のは哲学ではないから)ざっくりとはっきりと感じられる、とにもかくにも嬉しい、からだ。
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