細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

くらのかみ

小野不由美。ずっと前から読みたかった品ですが、図書館で見かけて嬉々として借り出し。ミステリーランド、たぶんバチスタよりはミステリーな気がします。って推理しない私にはそれを断言する権利はたぶんないんですけどね。




いちおう感想は続きに下げます。たぶん推理する方にはネタばれだと思いますので。
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犯人探しはしませんでしたが、私も座敷童子あては試みましたv思いっきり外しましたが。ちなみに私の予想は禅君でした。男の子3、女の子2だからつい男の子だと思ったんですよね。おひたしを「入れる」のか「抜く」のかの推理の転換も、推理しないで読んでる私も(推理しないで読んでるから?)上手いな、って思いましたよ。そういうの、読んでて楽しいんですよね。
くらのかみ、どうして出てきたのかって、面白そうだったから、って、いい妖怪じゃなかったのかってがっかりしている子どもたち、微笑ましいのですが。小野さんはそうは言わなかったけれど、でもやっぱりくらのかみ、子どもたちを守ったんですよねえ。いえ、妖怪なんだから得体の知れない怖いもので、たぶんこんなふうにいい話、にまとめたりしたくなかったから、それで小野さんはそうは言わない、そういうつもりでもなかったかもしれないんですけど、でもそう思う。代わりにくっついちゃったお説教はご愛嬌。ああいうの私は嫌いじゃないけど、あれで引いちゃう人もいるだろうなあ(アマゾンのレビューでけなしておられる方とかね)。や、得体の知れない怖いものですよ、座敷童子(*^_^*)。
私が小野不由美をそもそも好きだから、というのはきっとあるのですが、特にひねってるわけでもない目次を見ただけでどきどきする、名前の呼び方も楽しい上に雰囲気でてるv ”三郎にいさん”だから余計によいのであって。音弥おじ、真由おじ、さらには弥太郎おじなんてもうふふっと笑むしかない。「ちゃんと約束を守る子ども」「約束を守るちゃんとした子ども」近くにあったふたつの違うまとまりなんだけど、ちゃんとそれらはそれぞれ適切な位置にあるんですよね。文章も、村上勉さんの絵も、どれもこれも好き♪
三郎にいさんと子どもたちのかかわりがまたよいのですよ、最後もそのひとつ前もみんなね。
とてもとても楽しませていただきました。