細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

黒祠の島

もちろん小野不由美、何年か怖いかなあとためらって、しかしゴーストハントも読み終わっちゃったしもう読むしかないと文庫購入。読み終えた第一感想は、「ホラーじゃなくてミステリでした」。前半はじわじわ怖い沈黙の中、後半は二転三転の謎解き返し。併せて倫理も突き付ける・・・これもネタばれになりそうだ。

ネタばれが興を削ぐのはミステリだけじゃない。えーっと、とりあえず潜ります。
















倫理にかかるネタバレ、これは結局罪と罰の、というか罰の話かと思わせて罪とは何かという話だったりする、因果応報の気持ちは私たちに根付いていて、でも本当か?罪ってなんだ。ええ、因果の話ですが罰の話じゃありません。十二国記と同様に枠組みを問いかける、小野不由美らしい話だなって思います。そういう話になり始めるころには駆け足になっちゃうきらいはありますが、ホラーとミステリとテーマのバランスの難しさですね。屍鬼が好きな人には前半を、十二国が好きな人には後半を、小野不由美が好きな人にはもちろん全部をおすすめです♪