細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

甘えの構造

土居健郎。古い図書館も悪くはない、って一例だったり。一度は読んでみたいと思っていたので、そして予想外に薄かったので(笑)借りてくる。
ええと、一度読めば十分なのかもしれないけど。たぶんこの裏にはたくさんの臨床体験があるのだけれど、それを書かないことに決めているから、根拠がないように見えてしまうんです、たぶん。これを読んだ人は多い、だからきっとこれの上にあるものも多い、今読んで納得できるかどうかはともかくそういう価値の古典かなあ。もっとも、今読んでも面白くはあった。「甘え」はもとから子どものものと思っていたけれど(むしろ)男女の仲のものでもある。
とはいえ、「甘え」を和英辞典で引けば、当然対応する言葉はない、なんて言われはしないでdependenceとか出てくるんですよね。その違いをはっきりさせてくれないと・・・・、あれ、この本って日本人論だったろうか人間論だったろうか?や、たぶん後者なんだから、たとえ前提が「『甘え』に相当する欧米語がない」ってとこから始まってても、そして上記の違いがはっきりしなくても、構わない、かもしれない。
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