細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

ローワンとゼバックの黒い影

ローワン4作目。図書館で読了してしまえる分量が嬉しい。でもいつもながら起承転結も冒険もしっかりしてますよ。うわ、今回も「戦闘」を、しかも見事に回避したなあというのが第一印象。あっさりと爽快で意外かつ決してご都合でなく、うまい〜。
約束を破ることのないその命の有様を、こわいくらいはっきりと、このシリーズとしては血なまぐさいけれど恨み言でなく鮮やかに書く、けれどやはり痛々しいというのが第二印象、4作目、英雄であると同時に昔と同様なじめていない(≒いくじのない)ローワンの自他ともからの違和感をここで正面切ってテーマにすること自体の巧さ。1作目と逆、役割分担(1作目は苦手なもの分担)の構成で、ローワンの役割これですか、と驚いてしまう事実にもっと暴力的(?)な物語に慣れてしまっている自分に直面させられる、やっぱりこのシリーズならではの嬉しさ。1の次にお勧めですが、シリーズ順に必読です(^^ゞ
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