細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

カトク

カトク読みました!よく出来てる、と率直に思います。ディーセントワークガーディアンに比べるとほっこり度が薄い気はしますが、カトクだからシビアにならざるを得ないですかね。

ラストはやはり悩ましい。労働者が経営者的感情を持つこと、経営者を敬慕すること。やりがいの搾取と切り捨てたくはなるけれど、そんなに割り切れるものではない。だからカトクなのでもありますが。敬慕を否定する必要がなくても、だから経営者にこそ、そして労働者にも、節度と正しい知識が必要。ひとは死ぬほど働くと死ぬ。毎年何百人も、そして統計(労災請求)に上がらないところでもっと多数が。


やりがい、敬慕と健康を両立させる。そのための枠組みは不可欠。踏み込んでいえば高プロのせいで上限規制がつぶれなくて本当によかったと、いや高プロ賛成ってわけじゃないけど上限規制潰れていたらどうなってたか。願わくば、高プロをどう使うか(使わないか)も同じ節度と正しい知識によれるよう。