細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

歌う石

O.R.メリング。井辻朱美訳。少女二人の旅、ケルトが題材という共通点はあるものの、妖精王の月と直接に繋がっているという意味でのシリーズではないようです、ふむ。にしてもさても、物語が上手い。終盤近くのひっくり返しの自然さとどきどきとそれまでの流れの生き生きと効いていることったら・・・はぁ(幸せの溜息)。途中4人が「相手の好きなものを当てる」ゲームをし、見事に読み当て、円環を閉じる。魔法もあるこの世界で、大恋愛もあるその仲間で、それらによるのではなく洞察力と相手へと自分へとの誠実さで確かに互いに読み当てる。しみじみと良いもの、読ませていただきました。
あ、ちなみに私は読む途中でケイの探索の目的を忘れていましたが^_^;、作者は決して忘れずにちゃんとはじめの問いをしっかり結ぶ物語、素晴らしいです。
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