細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

南鳥島特別航路

旅行記池澤夏樹。うちの図書館の池澤さんは読破したと思ったのにまだ残ってた^_^;。
南鳥島だけじゃない、すこしめずらしいところどころへ行く旅の記。池澤さんらしく?かなり自然科学。表題は社会科学(「気象観測」を自然への接点ととるか人らしい人の営みととるかは読み手の性向か・・・私は後者ですが)よりかもしれないけど、冒頭の五島の火山の断面なんて、いかにもねv
池塘」(泥炭地の中にある小湖沼)とか「ブラキストン線」「八田線」とか(いずれも生物の分布境界線)知らない言葉(^^ゞがほいほい放り投げられるのも嬉しかったり。立山砂防の壮大な人の手の介入具合への、また、白神/秋田側や乗鞍・畳平の人の手の入り具合への、矛盾するようなそうでないようなそれぞれそう単純でもない感嘆と慨嘆と。12の旅行記、どれもすぐできる旅でないだけに(いや必ずしもそうでもないか。対馬とか八重干潟とか、雨竜沼も行く気次第か)旅への憧れを堪能させていただきました。
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