細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

14歳の仕事道

玄田有史理論社ヤングアダルト新書、よりみちパン!セ第1期。これ、シリーズ(?)だったんだ。他のも重松さんとか結構なメンバーで、いろいろ読んでみたいような、ためらうような。理論社の心意気、分からないでもないのですが、さて。
この本は、うまく読んでもらいたい人に届くだろうか、届けばよいが。内容には異論ありません、玄田さんは何時も言うことを、本にあわせた分量と分かりやすさで的確に語る。最終章の特別章、「ニートにならないために」と読める具体的な助言が新しいかな。ニートはあなたのせいじゃない、けれどできるならならずにすんだほうがいい、はじめからの変わらないスタンスと、『ニート』なんかでじゃあどうすれば、と放ってあった宿題を、玄田さんはここでは自分で広報することで方策のひとつになろうとする(予算の必要を訴えるとかの他の手法も先生はお取りのはずではありますが)。それで、この本。ポップというより幼い表紙、かなりたくさんの振りがな、硬い表紙に薄めの分量(184p)、14歳を明示したタイトル。本を読む14歳にはたぶん振りがなが多すぎる、それは内容を損なうものではないはずだけど、でも、だけど。本を読まない14歳には、さらに16歳でも20歳でも、これは傍らに置かれたときに、開いてみてもよいかと思える表紙だろうかタイトルだろうか。馬鹿にするなとひとり呟くようなことにならなければよいけれど。表紙に親しみは不可欠で、年齢も入れるとすれば14歳しかありえないだろうけど、でも、だけど。中の2コマ漫画を表紙に持って来た方がよかったのでは。
大人には問題なくお勧めできます、ここで考え方に賛同できればもっと労働経済の本も読みやすいかと。けれど大人だけの本にするのは勿体無い、届かせたい人々に、うまく届けばよいのですが。
→ Amazon.co.jp