細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

精霊の守り人

上橋菜穂子。30歳の女用心棒が主人公というだけで素晴らしいかも(笑)、女用心棒と皇子の物語。もちろん児童文学らしく、皇子の成長譚としてもいけています。でもやっぱり「世界」が魅力か、ふたつの民族と伝承の難さ、飲み込まれようとする民族だけでなく、飲み込もうとする民族においても。文字の力とか。この世の敵とこの世ならざるものたる敵。それぞれの世界のひとの接触の仕方もなんだか良くて。うっすらロマンスも忘れられてないし。作者は文化人類学者でおいでの様子。
はじめのうち固有名詞に慣れない感じがしたのですが(日本語(意味のある言葉による名前)とカタカナ(音重視と思われる名前)の混ざり具合が)、いつの間にかしっくり。もう少しばかり、文字の詰まった割付でも良かったかも ・・・ 内容とのバランスで。7巻既刊は伊達ではありませんね。早く返して次を読もう。
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