細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

きみの友だち

重松さんは、ジュブナイルじゃあ、ないよね?(<分けるな) これこそヤングアダルトのような、そうは取り扱われていないような、・・・しかし、配架の問題は圧倒的に重要だ。どこに置いたら誰の手にとってもらえるのか。いや、うちの図書館のヤングアダルトの分類は、分類している意味もなければ(分類してるのに判断基準が不明だし、少なくとも納得いかないし)、児童室に埋まって配架としての意味もない(YA分類の最大の意味はもう児童室なんて、という少年少女が手に取れる場所にモノを置くことにあるはずだ〜。)、あんなとこに置かれるよりはいまこの本がそうであるように一般の日本文学に分類していただくことがはるかによろしいのではありますが。
話が逸れました。重松清、気にはしていたのですけれど、初めて読みました。これmixiの図書館コミュで「泣ける本」に挙がっていましたが、確かに。凛として、とてもよかったです。単に一人で(あるいは二人で)立っているだけでなくて、その外の繋がりも確かに友だち。そこにある、緊張と嬉しさと寂しさと。さて私はブンちゃんが好きですが、いちばん気になるのは佐藤先輩。そして小学生時代も中学生時代も、私はああいう女の子グループの緊張関係は知らないんだけど(もちろんグループはあったけど、あのように動くものとは認識してない)、けれどそんなことにまったくかかわらずこれはお勧め。当たり前だけれど、ひとのそれぞれにそれぞれの切実さ。恵美と由香だけでなくそれぞれに注がれるわずかに厳しくてほとんど優しいまなざし。でもでもやはり、どうか恵美の視点を持てますように。
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