細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

国境の南 太陽の西

村上春樹。私これ、読んだこと・・ない、よねぇ??・・・それが思い出せないのもどうかと思うんですが、ストーリーは全く未知のものなのですが、タイトルの印象が前読んだような違うようなう〜ん・・・。まあ、いいや、図書館でタイトルと装丁と適度な厚みに呼ばれたのです(はじめっからねじまき鳥3部作なんて考えるだに無謀だもの、という気分)。
さてどんな感想を書いたものだか、読後感は悪くなかった。いや、かなりよかった。手元には何も残っていないのだけれど、それはそういうものなのだろう。主人公と現実の微妙な乖離が、節制の利いた文章になっていて。けれど中味はどうしようもない激しいものだ、それなのにどうしようもないのにやっぱりしいんとしてるのだ。音楽も映画も脳裏に浮かばずに(だって知らないので)読んでいるから、それでも読めるんだけどそれで欠けているのかも。文章の抑制が、行間やフォントにそぐう、そのせいで平日の夜7時半から読み始めたりそのまま読み終えちゃったりさせられた、ぴったりとよい本。
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