細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

どこでもないどこか

日野啓三。実は手に取る前は平野啓一郎と勘違いしてた。簡潔な文章で、冷たい透明な浮遊感を感じる。まさにどこでもないどこかで、連作かと思ったら(中身は短編6本)違うんだって。そのことにまずびっくり。
途中のゴム林のスコールのみずみずしさが、一冊の中で異彩を放ち、これがまたその後どこでもないような林にひっくり返される、そのコントラストに魅了される。
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