細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

からくりからくさ

一度に読みすぎな気もするけど梨木香歩。けれどこれは、私には少し難しかった。すこし寝かせておいてあと三度ほどは読んでみないと。
四人の主人公の心のひだが、どれも美しくそれぞれに共感できるのだけれど、もう一歩私の感じた向こうに何かありそう。染めに織り、聞き取り、オブジェ。真摯でだから美しくて。真摯で、というほかに誇り高くて、と私は感じるが、それとただひたすら受け継がれた女たちの手仕事の価値との関係を私はまだ捕まえられない。
唐草の連続と変化。続けたまま変わること。児童文学とそうでないものを峻別する気はもちろんないのだけれど、大人にほんとうに必要なものは子どもにも価値あるものだけれど、「前からの流れの中で」変わる、ことは、やはりより大人を慰め、勇気づけるものだと思う。
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