細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

僕は、そして僕たちはどう生きるか

再び梨木香歩。悲しく、強く、温かく、身の引き締まるお話だった。感想がうまく書けるだろうか、私の梨木香歩ベストかも。(っていや西の魔女もほかもいいのだが。)
僕たちは君たちはどう生きるかを、もちろんのこと踏まえていて、主人公の呼称はコペル君。そのほかにも符合はたくさんあるのだけれど。


私は、いろいろなものに迎合的な私を知っている(つもり)。それは、悪いことばかりでもない、例えば、人に腹を立てることはたぶんそんなに多くない。自分の言い訳も他人の言い訳(の的外れでありうる推測)も、私は自然に思い浮かべていろんなことを受け入れる。
だけど、それが決定的に悪である事柄と瞬間はこの世にあって。私もそうでありたくない、でも。


(どこからがネタばれか・・・ひとまず続きは下へ)


群れの中では考えられないことがある。人には群れが必要である。
コペル君を震わせて、だけど彼だけに突きつけるのでない、群れは温かい、それだけじゃなくても、でも。スベリヒユは美味しそう。植物図鑑にも出てきたよね、あれ。火が燃える、夜が更ける。こんなに濃密な、わずか1日の、けれど一生の語り。