細波水波

さやさや揺れる風の中 さわさわ揺れる水の音 たゆたいながら月に10冊年100冊

ピスタチオ

梨木香歩。不思議に何時の間にか取り囲まれ、そして飛んで場を移す。不思議がちょうど読んだときの自分の体調と同じように重なって、作中の彼女より軽くはあるけどその符号にくらりとする、そしてその先の不思議に頷くまでもなく流れて進む。
不思議なだけの話ではない、真剣で重い話でもあるのだけれど、ピスタチオグリーンの美しさが瑞々しい、物語るということそのものの小説。